「まわしよみ新聞」のワークショップに行ってきました

「まわしよみ新聞」ってご存知ですか?
大阪は新聞に因縁の深い街。
宮武外骨の「滑稽新聞」は大阪で誕生し、
朝日も産経も毎日も元は大阪が発祥の地。
そんな大阪から、「まわしよみ新聞」なるものが誕生しました。

どんなしろものか、ワークショップを体験しようと、
三宮のパンダ整体院に行ってきました。
ワークショップを企画運営されている柏原修院長は30代半ば。
一緒に出迎えてくださったスタッフの安森正子さんもそれぐらいか?

急に、若い人の中にオジンが紛れ込んだようで、申し訳ないような気持ち。
いつもは、にっちのおば様方、高齢者とばかり話しているから、
ちゃんと話せるかしらと身構えてしまった。

少し遅れてこられた松本典子さんを入れて参加者は全部で4人。
集まった新聞は、私が買っていった夕刊フジのほか
MJ(日経マーケティングジャーナル)、神戸新聞、大阪日日新聞。

やり方は、まず、回ってきた新聞を読んで、
それぞれが「これは面白い!」と感じた記事を切り取っていく。

その日の夕刊フジのトップは、中国からのスモッグと冬柴に懲役5年の判決。
私が切り取ったのは「僧侶が就活研修をはじめる」の記事。

次に、神戸新聞、日日新聞と回ってきた。
大阪日日は初めて読んだけれど、意外と内容のある新聞でビックリした。
そこに具体美術の吉原治良の伝記が連載されていて、
彼が、具体の中では超ワンマンだった、と知ってびっくり。

具体美術の画家といえば、吉原にしろ、元永定正にしろ、
伝統を打ち破るような自由奔放な作品で名高い集団のはずが、意外や意外。

他の参加者が選んだのは、「おでん電車」の記事。
能勢電鉄が今年4月に開業100周年を迎えるに当たり、
変り種電車を走らせているもののひとつ。

通勤電車でこれをやってくれればな、との意見が出る。
飲み物4種類とおでん盛り合わせ、弁当と運賃で3,800円。
ちょっと高いな、と思った。そして、この記事が一面トップに選ばれた。

さらに「エアーディナー世界大会」の記事。
つまり、世界の料理を食べる様を、
エアー(エアーギターのような)でやる大会とのこと。
世界大会にもかかわらず参加者は5人ぐらいだったらしい。
そのおかしさが受けた!

天気予報を切り取った人もいた。
花粉情報まで載せるくらいなら、放射能の情報も載せるべきだ、という主張。
ちょど、その日から、
大阪で東北から運ばれてきた瓦礫の焼却が始まったらしい。

そのほか、37冊の漫画を万引きして逮捕された高校生と中学生の記事。
イングマールベルイマン監督のイングリッドバーグマン主演の
「秋のソナタ」がリバイバル上映される記事。
韓流ドラマ「冬のソナタ」との関係は?で選ばれた。

それぞれが、3つくらい記事を選ぶと、
選んだ理由をプレゼンする。
そこから、意見交換が始まる。
コミュニケーションツールとして回し読み新聞が、
注目されている理由だ。

私が切り取った「僧侶が就活研修」の記事は、
坊さんは元々そういう役割を持ってたはずや、
それを、僧侶がしなくなったから…、
から始まって、寺院の閉鎖性まで話が及んで、
「就活」ってなんやろ?まで、問いかけていった。

「最初に就職したとき、学歴が問題になるくらいで、
後は、全然関係ない」というところまで話が達した。

まわしよみ新聞は何回か、にっちでもやってみると面白いと思った。
高齢者を交えてやれば、面白い展開になるはずだ。

7時半に始まったワークショップ。
終わってみれば、
11時近く。

久し振りに使った頭は加熱状態。
選ぶ記事が固すぎていかん、と思ったのと、
自分の知識がいかにうろ覚えであることか、と反省しきり。

快く老人を受け入れてくださった皆さん、
ありがとうございました。
愉しい時間を過ごしました。

にっちでも一度やってみます。