大阪成蹊大学芸術学部 産学ネットワークプロジェクトフェアトレードプロジェクト『Earth Bird』

1・Earth Birdの発足ときっかけ 

生活の現代化にともない、世界の様々な民族による伝統的な手工芸の大半が、衰退、消滅の運命にあり、それぞれの民族の文化的な遺産であるこれらの伝統工芸を、活かしていくなんらかの模索をする必要があります。
また、少数民族の生活は、農作業が主な財政基盤として成り立っており、近年の人口増加で必要な耕地や森林の確保が難しくなり、経済状態が不安定になっています。
さらに、耕地拡大による過剰な森林伐採が、自然破壊に繋がってしまっています。
文化の多様性を保全するという意味にくわえ、少数民族の経済活動の活性化や、自然環境の保護のためにも、非農業産業としての伝統的手工業の販路拡大が今後の重要な課題となっています。
 従来伝統的な染色品などの工芸は、自給自足的な消費や、地元での小規模な流通を目的に製産されてきましたが、今後は、観光客を対象とした土産物や、国際市場に適した商品開発によって、民族の伝統的工芸技術を使った商品の販路を拡大する必要があります。
 しかし、多くの少数民族は農村部や山岳部に居住しており、市場でどのようなものが売れるかを判断する資料や経験がなく、諸外国、または、その国の首都圏におけるマーケットの状況でさえ感知することが難しくなっています。
 そのために、伝統的な工芸品を商品化しても、マンネリ化したデザインの安価な土産物に落ち着いてしまい、品質のレベルにおいても低く、多くの販売数を見込めない例が多くなっているのが実情です。
 そこで、わたし達、大阪成蹊大学芸術学部の学生の造形的な感性とデザイン力を活かし、少数民族の伝統的な工芸の保全に協力できないだろうかと考え、このフェアトレード&デザインプロジェクト『Earth Bird』を発足しました。

2・活動地域:ベトナム北部

 現在のところ、ベトナム北部のライチョウ省・ラオカイ省・バッカン省などに住んでいるザオ・モン・ルーなどの少数民族を対象とし、手紡ぎの木綿糸や、大麻を用いた、藍染め、ベニノキ染め、ろうけつ染め、絞り染め、刺繍などの染織品を用いて商品開発を行っていきます。
 ベトナムのデザイン系の大学でも、これらの少数民族の伝統工芸に注目し、有効なデザイン開発を行うといった取り組みはみられません。
また、伝統工芸をサポートするNGOの活動も十分ではありません。
理由として、地域が限られている。現地の技術やデザインが活かしきれていない。デザインがすぐにコピーされて市場が画一化しやすい。製産者についての情報が商品と一体となっていない。など、多くの問題点があります。
 
 また、わたし達の活動の意義や、現地の民族や、工芸技術などについて紹介するホームページやパンフレットを制作していきます。

ホームページ→http://www.earth-bird.com/
メールアドレス→seikei_eb@yahoo.co.jp