14歳の子を持つ親たちへ その3

名越康文 内田樹 著 新潮社刊

親の心構え
名越「『あんまり子どもをいじり過ぎないでほしい』
 ってことだけは言っておきたいですね
 親がどう思っていようとも子どもが親の望むとおりに
 育つことなんてまずないです
 子どもの集中力を削ぐようなことをあまりせずに
 子どもを信じて親のほうは控えて見ていたら
 いいんじゃないでしょうか
 子どもがグーッと1つのことにのめりこんでる時に
 つい邪魔しちゃう大人って多いんです
 意識をせずともいつの間にか邪魔しちゃっている
 
 何かね、みんなすごく焦っちゃってるから
 こうしようああしようっていうふうに接木したり
 矯正したりしようとするのは無理があるっていうより
 あまりよくないと思います
 自分を自分として全体像として実感できる時って
 集中しているときしかないような気がするんですよ
 
 自分が何が面白いかわからなくなっちゃうという子が
 結構ぼくのところに来るんですが
 そういう子に話を聞くと、自分が集中してる時の時間や
 空間を絶えず侵食されてる様なケースが多いんですよ」

内田「要するに子どもの世界に侵食するなっていうことです
 親子で対等の関係というのはないわけ
 先手を取るのはいつだって親なんです
 敬意とか信頼とか愛という概念は子どもの内側には
 存在しないから教えるしかないんですよね
 でも言葉で言ってもわかるわけがないから
 親が子どもに対して信頼とか敬意とか愛というものを
 示してあげるしかない
 それで初めて『あっ これが愛なのね。 これが信頼というものなのね』
 って知るわけです
 まず親が身をもって子どもに教えてあげなかったら 
 絶対子どもは学習しない」

<忘れていた球根からフリージャーが咲きました。忘れていてごめんね>