<学習会>男女共同参画はなぜ進まないのか?「我孫子市男女共同参画に関する調査報告書」から

男女共同参画はなぜ進まないのか?
男女共同参画社会基本法制定(1999年)から15年。「男女共同参画」の言葉は普及し、ある一定の進展が見られますが、まだ十分に進んでいません。
地域における男女共同参画基本計画策定にあたり直面する地域課題の把握・分析をどのように行い、指標をどのように定めるか。国の政策との連動性・関係部署との調整等男女共同参画推進計画の在り方が問われています。

★「我孫子市男女共同参画に関する調査報告書」から
●調査目的:我孫子市における男女共同参画に関する市民の意識、実態について把握し、今後の計画策定及び施策推進の基礎資料とする。
●調査対象:住民基本台帳から無作為抽出した市内在住の18歳以上の男女各1500人

【調査結果の分析】

★各分野での男女の平等感 まとめ
◎分野ごとの男女の平等感については、「男性が優遇されている」と回答した割合は、全分野において女性が男性を上回った。
◎逆に、「平等」と回答した割合は、全分野において男性が女性を上回った。
◎「男性が優遇されている」とする割合が高かった分野は「政治の場」「社会通念、慣習、しきたり」の分野で、どちらも女性の7割以上が「男性が優遇されている」としている。
◎一方、「平等」が高かった分野は「学校教育の場」「自治会などの地域活動」で、どちらも男女ともに「平等」が「男性が優遇されている」を上回っている。

★女性が増えるとよい職業ベスト1:国会議員、地方議会議員 38.8%
〃 2:医師・歯科医師 27%(女性:31.6%、男性21.0%)
〃 3:企業の管理職 26.6%(女性23.9%、男性29.9%)
〃 4:閣僚、都道府県、市町村の首長 24.1%
〃 5:小中学校・高校の教頭・副校長・校長 22.7%

★女性が職業を持つことについての意識(性別)
一番多い回答:「子供ができてもずっと職業を続ける方がよい
・総数35.6% ・女性35.1% ・男性36.6%
二番目に多い回答:「子どもが大きくなったら職業を持つ方がよい」
・総数19% ・女性19.3% ・男性18.4% ※フルタイムの職業
三番目に多い回答「子どもが大きくなったら再び職業を持つ方がよい」
・総数18.0% ・女性19.6% ・男性16.2% ※パートタイムの職業
●「子供ができてもずっと職業を続ける方がよい」とする回答が、「女性は職業を持たない方がよい」「結婚するまでは職業を持つ方がよい」「子どもができるまでは職業を持つ方がよい」の合計14%を大きく上回った。

夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方についての意識
一番多い回答:「どちらかといえば賛成
・総数30.3% ・女性27.1%% ・男性33.3%
二番目に多い回答:「どちらかといえば反対」
・総数28% ・女性29.0% ・男性27.8%
三番目に多い回答「反対」
・総数23.9% ・女性26.3% ・男性21.4%
●「反対」と「どちらかといえば反対」とする回答が合わせて51.9%、
「賛成」「どちらかといえば賛成」とする回答が合わせて36.1%となり、反対が賛成を大きく上回った。
●「反対」「どちらかといえば反対」について、女性が55.3%、男性が49.2%と女性が男性を上回った。年齢別では、10歳代58.8%、20歳代62.0%、30歳代59.6%と若い世代で高い。
● 「賛成」「どちらかといえば賛成」が最も高いのは70歳以上
●全年齢層で「賛成」「どちらかといえば賛成」を「反対」「どちらかといえば反対」が上回った。
★夫と妻の家事分担
最も多い:「食事を作る」64.8%
次に多い:「食料品や日用品の買い物」24.0%
●「主として夫」とする回答が最も多かった家事:ゴミ出し31%
※「主として妻」とする回答30.8%と拮抗
●「夫婦ほぼ同じ」とする回答:「近所付き合い」24.1%
「食料品や日用品の買い物」24%

★仕事、家庭生活、地域活動を男女が共に 担っていくのに大切なこと
(1)男性が家事、子育て、介護、地域活動に積極 的に参加するために必要だと思うことは?
男女ともに最も多い回答:夫婦や家族間のコミュニケーションをよく図ること 50%超
〃 次に多い回答:男性が家事・育児等に参加することに対する男性自身の抵抗感をなくすこと 40%超
〃 3番目に多い回答:労働時間短縮や休暇制度、ICTを利用した多様な働き方を普及させることで、仕事以外の時間をより多く持てるようにすること40%弱

★男女とも職業生活と家庭生活を両立させていく ために、どのようなことが必要だと思うか?
男女とも最も多い回答:育児介護休業制度を利用しやすいように代わりの人員確保等、職場環境を整備する
女性で次に多い回答:男女がともに仕事や家庭を両立でき る周囲の理解や協力があること
男性で次に多い回答:保育所や学童保育の整備、保育時間の 延長など保育内容を充実する

★あなたは地域の活動に参加したことがあります?
総数:ある63.3%、女性66.6%、男性59.3%
年齢層別で最も高いのは60歳代、次に70歳代
自治会長やPTA会長等、女性が地域活動のリーダーになるためには、どのようなことが必要?
男女とも最も多い回答:男性の抵抗感をなくすこと〃 次に多い回答:社会の中でその評価を高めること
〃 3番目に多い回答:女性自身の抵抗感をなくすこと

★DVについての認識
配偶者や恋人からの暴力をDVといいます。あなたは次のような行為(16項目)をDVだと思いますか?
●総数:全16項目において「DVだと思う」が「DVだと思わない」を上回った。
●男性:「お金の使い道を細かくチェックする」では男性の「DVだとは思わない」が「DVだと思う」を若干上回った。
●男女ともに「DVだと思う」が8割をこえたもの:「なぐったり、けったりする」「平手で打つ」「『死ね』『キモイ』などという。
●「DVだと思わない」は、男女とも割合の高い順に: 「お金の使い道を細かくチェックする」「外で働くことを制限する」「電話やメールを細かくチェックする」

★我孫子市が取り組んでいくべきこと
最も多い回答:男女が共に仕事と家庭生活・地域活動を両立できるような支援策の充実 58.8%
次に多い回答:男女共同参画に関する広報など啓発の推進 48.2%
3番目に多い回答:企業などが男女共同参画推進に積極的に取り組めるよう、情報提供等の働きかけ 39.5%(会員内田)

◆詳細は下記「我孫子市男女共同参画に関する調査報告書」PDFをご覧ください。