<学習会>第三次我孫子市男女共同参画計画を考える

我孫子市男女共同参画プラン」は平成11年から始まる男女共同参画社会実現に向けての市の基本計画です。
21年度には30年度を目標年とする第2次我孫子市男女共同参画計画を策定しました。
30年度には、31年度スタートの第3次我孫子市男女共同参画計画を策定します。

1.これまでの我孫子市男女共同参画
 第二次計画のころ、男女共同参画は女性だけの問題だけではなく、男性にも、子どもや高齢者にも関連する課題であり、女性だけではなく、誰もが生きやすい社会が男女共同参画の目標であるという考え方が出てきました。それは根本的には正しいと思いますが、そのため、「女性」という部分を「誰もが」とか「みんなの」とかに広げた部分がありました。当時はそれが必要なことでしたが、シングル女性への支援や、女性の雇用の問題など本当に政策の必要な対象まで支援が届かなくなる、あるいは支援が薄まってしまうようなことが出てきたのではないかと危惧します。
 経済的な不公平や家事負担の不均衡など、まだまだ固定的役割分担意識による、女性差別や不合理な制度が残っているので、第三次計画がその解消のきっかけとなることを期待します。

2.第二次男女共同参画プランについて振り返る
①第一次プランの改訂という位置づけで、基本理念は男女共同参画基本法からとって いるが、策定から10年経った今、(一次計画からは20年)内容も古くなり、DV政策、 災害・復興における男女共同参画行政、LGBTへの配慮等、現在の社会に合わな い、足りない部分がある。
②他自治体と比較して、最も早い段階で作られたことや市の推進体制が整っていたこ とは優れている。
③まずは市の行政からということで、市の内部向けの政策が多かった。例えば市職員 の管理職比率を高めるなどの施策を行ったが、企業や市民向けの施策は少なかっ た。
④全体に堅い、読みにくい印象。

3.第三次我孫子市男女共同参画プランについて
 第二次プランの検証をもとに、第三次プランに関する提案、希望を考えた。
 【全体】
①わかりやすく読みやすい、市民が利用しやすい、利用したくなる計画。
②我孫子市が目指すべき町の姿を基本理念にする。例えば我孫子の魅力発信室が 提案した「物語のうまれるまち 我孫子」や、市の第二次基本計画の「〜手賀沼のほ とり心輝くまち〜人・鳥・文化のハーモニー〜」などにならって、男女共同参画の立場 に立って、誰にでも理解でき納得できるキャッチフレーズを作る。
③全市的な取り組みとして、市民を巻き込んだ、市民の幸せのための計画にする。
④基本計画と実施計画のあり方を統合も含めて再考、検討する。
⑤目標達成の期限と数値目標を入れる。
【制度】
①国の女性活躍推進法における「我孫子市女性活躍推進計画」との関連。位置づけ。 今回国の助成金を利用することによる意味をプランに反映させる。
②「あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画を図る」について、市の 管理職、教育委員会などの検証と目標を明らかにする。
 今まで弱かった農業委員会、商工会などへの啓発と推進を明記する。
【人権】
①男女共同参画に関する教育については義務教育で行うことを明記する。
②子どもの発達段階に合わせて、性教育を行う。【参考「国際セクシャリティ教育ガイダ ンス」(ユネスコ編 浅井春夫他訳 明石書店)
③いじめを含むあらゆる暴力を根絶するための教育を行う。
④DV防止法におけるDV防止対策を策定し、「我孫子市DV防止計画」と位置づける。
⑤LGBT等性的マイノリティへの配慮、中立的な家族法
【環境の整備】
①ひとり親家庭への支援や困難を抱えた家庭への取り組みを重視
②仕事と生活の調和ができる環境の整備
【推進体制】
①市役所内の推進体制は維持し、パワーアップする。
②初任者研修、組織を横断する研究会等を作り、意識・課題の共有を図る。
③男女共同参画の啓発活動に関して市民を巻き込む工夫をする(会員柳川)。