ニュースレター33号「自治体シンポ報告」

2012年9月に区内で行われた
全国自治体シンポジウム2012 in目黒「地方自治と子ども施策」
の様子についてご報告します。

全体テーマ:子育て支援・子ども支援の新たな展望を拓く

【1日目】 9月29日(土)
記念講演「尾木ママの共感子育てのススメ」 
 講師: 尾木直樹(教育評論家・法政大学教授)
シンポジウム「子育て支援・子ども支援の新たな展望を拓く」

【2日目】 9月30日(日)分科会
第1分科会 子ども条例の制定と実施 
第2分科会 子どもの相談・救済 
第3分科会 子どもの居場所づくり 
第4分科会 自治体における子どもの参加 
第5分科会 子ども計画の具体化
第6分科会 子ども虐待への対応と連携・ネットワーク
第7分科会 子どもの貧困と自治体施策
第8分科会 障がいのある子どもの支援

※第8分科会はめぐろCLの企画でした。

「実行委員として参加して」 
自治体シンポは毎年開催自治体の職員や研究者・専門家で実行委員会を形成しています。
しかし今年は目黒区での開催、また、実行委員長がめぐろチャイルドラインと
めぐろ子ども支援ネットワークの代表でもある喜多さんということもあり、
めぐろ子ども支援ネットワークが協力団体となり、
実行委員として3名が参加する事になりました。

全体会や分科会の組み立てに始まり、
資料集の作成や懇親会の設定・会計まで関わることになり、
それはそれは多忙な日々を送ることになりました。

今回のシンポでは、他県での先進的な活動や課題、研究者・専門家の示唆から、
「子どもや子育て家庭が置かれている危機的な状況を乗り越えていく方法」の一つが、
めぐろチヤイルドラインの設置目的でもある
「地域の中で子どもたちが安心して生活でき、大人と子どもが共に育ち合えるまちづくりに寄与する事」
だと改めて思いました。
 (K.K)

「全体会に参加して」
オープニングで心洗われるような歌声を聴かせてくれた、
大岡山小学校の子どもたち、
学校のこと、いじめのこと、大人に言いたいことなど、
尾木ママ(講演会講師の尾木直樹さん)の突撃インタビューにも、
皆、しっかりと自分の言葉で思いや考えを語ってくれました。
「いじめに対して不安のある人は?」の問いに、ほとんどの子どもが手を挙げます。
前日に発表された東京都教育委員会の資料では、
目黒区はいじめの報告がほとんどありませんでしたが、
子どもたちの実感とはかけ離れているようです。

「大人は見て見ぬふりをしないでほしい」という子どもの声を、
私たち大人はしっかり受け止めなければいけません。

その後は「共感子育てのすすめ」と題した尾木直樹さんの講演。
参加者の8割は若いお母さんたち。
ベビーカーを押しながら、あるいは、入口でおばあちゃんに子どもを預けて、
また、夫婦二人で、会場に足を運んだ子育て中のたくさんの人たち。
それだけ、子育てに不安を感じているということの現れなのだと感じました。

子育ての重圧につぶれそうになりながらも、
何か手立てを見出したいという期待であったり、もうこれ以上無理という瀬戸際で、
何とか頑張っているお母さんたちのSOSとも考えられます。
その期待やSOSにどう応えていくか、行政と市民がそれぞれ知恵を出し合って、
考えていかなければならないと思いました。
 (N・K)

「分科会に参加して」
2日目のプログラムから第6分科会「子ども虐待への対応と連携・ネットワーク」について報告します。

基調報告は「子ども虐待防止・対応のネットワークと連携ニーズ」で、
獨協大学の野村武司先生から
平成17年に改正された児童福祉法で
「要保護児童対策地域協議会の設置」が明文化されたこと等が話されました。

荒川区子ども家庭支援センターの茶谷由紀子先生からは
「子ども虐待対応のための関係機関連携の取り組みと対応機関の二層制の課題」
として、
子どもの担当が支援センターから児童相談所に替わる際の問題点等が挙げられました。

草加市子育て支援センターの遠藤真一先生は
「子ども虐待対応のための関係機関連携と子育て支援センター」のテーマで、
子育て支援センターを中心に要保護児童対策地域協議会で
情報交換、事例検討等を行っていることが話されました。

枚方市保健センターの熊谷彰子先生は「保健分野から見たハイリスク妊産婦
および特定妊婦の支援と機関連携」と題し、
保健機関のみの限界と医療・福祉機関等との連携の必要性が報告されました。

NPO法人こども福祉研究所の前田信一先生は
「子ども虐待防止におけるNPO等の役割」として、
自助グループ・行政・地域の連携について語られました。

台風の影響で午後の討論が早めに切り上げられたのは残念でしたが、
全国の方が子どもについて共に考える貴重な機会でした。
(T.S)