シェイクスピアの名言はどこから

日 時 平成29年2月21日(火)11時〜12時
 シェイクスピアの数々の作品は、本人がいちからストーリー
を創造したのではなく、主として古代ローマの文献から材源
(元ネタ)を持ってきているのがほとんどであるとのこと。
 今回は作品中の二つの名言について解説がありました。
・名言その1「お前もか、ブルータス」
 これは『ジュリアス・シーザー』の中で、シーザーが元老院で
暗殺された時に発しられた有名な言葉で、古代ローマ作家・
スエトニウスの『皇帝伝』にある「お前もか、息子よ」からの引用ではないかと説明されました。
・名言その2「金は借りても貸してもならぬ、貸せば金も友も失い、借りれば倹約の刃が鈍る」
 これは『ハムレット』におけるポローニアス(大臣)の名言で、彼がフランスへ旅立つ息子への訓戒として述べられた言葉です。
 これも古代ローマ作家・プラウトウスの『三文銭』の中に見られる奴隷のスタシハムの「人に何か貸してやったら、失くしたことになる。貸した金を失うか、友達を失うか、二つに一つを選ぶ羽目になる。」を第1の材源としています。
 第2の材源は、やはり『三文銭』の中の父親が息子に対して訓戒する時の言葉で、「乞食に食べ物や飲み物をやるのはためにならん。与えたものも失い、哀れな人生をも引き延ばすことになるからだ。」です。
 (写真は、英国のストラトフォード・アポン・エイヴォンにあるシェイクスピアの博物館です。)