難民・国内避難民の問題

日 時 平成30年6月23日(土)10時〜12時
 主としてミャンマーのロヒンギャについての解説です。
 まず「難民」の意味ですが、難民条約第1条に定義として
「人権、宗教、国籍、特定の社会集団の構成員であること、
または政治的意見を理由に迫害を受けるおそれのある十分
な根拠があるために、国籍国の外にいてその国籍国の保護
を受けることの出来ない者、または恐怖を有するためにその
国籍国の保護を受けることを望まない者」とあります。
 別に「国内避難民」が存在しますが、これは前述の他に「国境を越えず本国に留まっている人、または必ずしも本国政府が迫害をするわけではないが、その能力欠如のために困窮している人」と説明されます。
 ミャンマーのロヒンギャ(西端のラカイン州)の人々は、正に難民・国内避難民であるわけです。
 ミャンマー国内におけるロヒンギャの迫害についてですが、まず制度上はロヒンギャはベンガル人と見なされており、外国から勝手に移住してきた人々と位置付けられ、国籍法上は無国籍者であって市民権が与えられていないということです。
 また構図上はラカイン州では仏教徒との不和があり、全土としては軍部との関係があります。
 ミャンマーでは民主化を旗印に、アウンサン・スーチー氏が選挙で勝利しましたが、依然として軍部が力を保持しており、権力の二重構造がこの問題の解決を遅らせているとも言えます。
 余談ですが、日本にもロヒンギャのコミュニティーが群馬県にあり、約230人が生活している由でした。