厄は、古人の知恵

日 時 平成30年9月5日(水)13時30分〜15時30分
 門戸厄神・東光寺(阪急電車・今津線・門戸厄神駅下車)の
住職による法話を聞く機会がありました。
 東光寺のご本尊は薬師如来とのことで、一般には「厄神さん」
と呼ばれ、厄除け祈願の寺として広く親しまれています。
 厄神さんのご本体は「日本三躰厄神明王」と呼ばれ、一体は
高野山の麓「天野明神」へ国家安泰として、次の一体は男山の
「石清水八幡宮」へ皇家安泰のため、残る一体は一般庶民守護
のためと門戸の東光寺に祀られていましたが、現存するのは東光寺のみとか。
 この「日本三躰厄神明王」は、829年に嵯峨天皇が41才の厄年の時、愛染明王と不動明王が一体化し、諸々の災厄を打ち払った夢をご覧になったということをお聞きした弘法大師が自ら愛染明王と不動明王が一体となった明王像を刻まれた由。
 明王像の左側は愛染明王(悩みを深い愛情で浄化)で、右側が不動明王(煩悩を知恵の火で焼く)となっており、厄除開運・家内安全・無病息災・交通安全・商売繁盛等々の霊徳があるのだそうです。
 さて「厄」とは役割からきた言葉だそうで「節」の意味もあり、長い人生にはところどころ節があって、肉体的・精神的・社会的等々、区切りがあります。
 すなわち「厄」とは人生の節目に区切りを促す古人の知恵であり、厄年とは心の緊張度を自ら省みる節目であるということでした。