素材を読み解く

日 時 2019年9月1日(日)13時30分〜14時30分
 古来からの伝承物や発掘調査による出土品などについて、その
素材や年代、目的等々を現代の科学的調査法によって解明する
ことにつき、その手法や注意点について解説をいただきました。
 まず自然科学的調査法には次のような種類がある由。
(1)X線CT⇒仏像等の構造、内部の非破壊観察
(2)蛍光X線⇒おおまかな成分分析(元素分析)
(3)X線回析⇒分子の結晶構造の分析
(4)年輪年代⇒木材の年代測定、産地推定
(5)樹種同定⇒木材の種類
(6)三次元測定⇒形の細部を観察、比較
・・・・・で、調査の目的(素材を知る、年代を知る、形状を知る、構造を知る、技法を知る等々)を知ることが出来るとのことです。
 さて次に自然科学的調査法の注意点ですが・・・・・
(1)目的意識をもって調査する(やれば何かわかるだろう方式はダメ)
(2)破壊検査は慎重にする(人為的な破壊をすることに責任意識を持つ)
(3)データの拡大が必要である(一点の調査から得られる結果は多くなく、他との比較も必要)
・・・・等に留意することであるとのことでした。