占領下の闇市を考察する

日 時 2019年11月11日(月)14時〜15時30分
 第2次世界大戦に敗戦した日本では物不足が顕著で、まもなく
「闇市」なるものが出現しました。
 今回は、神戸の「闇市」を焦点に、当時の状況を考察するお話
を拝聴してきました。
 「闇市」とは、一般的には「統制違反の商行為」を意味するのだ
そうです。
 終戦直後は、戦中から実施されていた統制経済がすぐには
撤廃されず、品目ごとに異なる撤廃時期や配給制度が生じて、公定価格に従わない「闇」の売買が増えていったことが「闇市」を出現させた大きな原因であった由。
 また「闇市」とは、占領下の都市空間に存在する多様な人々が生きるため、暮らすためにとる行為や選択が互いに衝突し、矛盾を生み出しながら空間的に表出したものと位置付けられるのだとか。
 なお「闇市」をかたちづくった主体は、(1)民衆(店舗営業者・商業に従事しない戦災者や住民)、(2)GHQ(管理統制をする)、(3)行政(現場の取り締まりや秩序・維持を担当)・・・です。
 神戸の「闇市」は、三宮から元町にかけての高架下やその周辺で、営業している彼らは少なからず民衆に貢献しているとの自負もあったようで、名称も「闇市」から「自由市場」へと変わっていったそうです。
 「闇市」の生成は、行政による都市計画に基づかないものではありますが、何らかの思惑や施策によるものであったであろうとのことでした。(写真は、当時の神戸のバラック店舗風景)