日本人の心を探る

日 時 2019年11月18日(月)14時〜15時30分
 新元号「令和」とその出典とされる「万葉集」にちなんだ
セミナーがありました。
 5月に元号が「令和」となり、先日皇室最大の儀式と言われ
ている「大嘗祭(だいじょうさい)」が行われ、正式に天皇の
資格を得たことになった由。
 「嘗(じょう)」は、「なめる」とか「味わう」という意味で、その
年のお米を天照大神にささげ、神と一体になるというもので、
これは神武天皇の東征にちなみ「主紀殿」(過ぎ:天皇家が通り過ぎてきたところ:今年は京都府)と「悠紀殿」(往く:これから行くところ:今年は栃木県)で行われたとか。
 さて、新元号典拠の「万葉集」巻5の「梅花の歌32首あわせて序」ですが・・・
 「天平2年正月13日(730)、帥老の宅にあつまりて宴会を申ぶ。時に初春令月、気は淑く風和ぐ。梅は鏡前の粉をはき、蘭ははい後の香を薫らす。・・・・・」
 その意味は、「天平2年1月13日、帥老宅に寄りこぞって宴会を催す。折しも初春のよき月。大気はあくまでも快く、風やわらぐ。梅は鏡前の白粉にまごうて咲き、蘭は帯の匂い袋のように薫る。・・・・」です。
 「帥老(そちろう)」とは、年老いた大宰府の長官の意味で、大伴旅人のことであるとか。
 その時の歌32首から主人・大伴旅人の歌を紹介しますと、「我が園は 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れ来るかも」(我家の庭の梅の花は、天から雪が降ってくるかのように見える)・・・です。