人生への臨み方を学ぶ

日 時 2021年1月15日(金)13時〜14時30分
 人生を歩むうえでのバックボーンについて、明治の作家・夏目
漱石を例に解説がありました。
 漱石の「人生」を打ち出した作品として、彼が40才頃に発表
しました「草枕」があります。
 誰もが一度は手にした作品で、特に冒頭の部分に人生が凝縮
されていると言える由。 すなわち・・・
 「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に
棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくこの世は住み
にくい。住みにくさが高じると・・・・・」とあります。
 これは30才の主人公(画家)が苦しんで苦しんで芸術を生み出していく物語です。
 また若き日の漱石は、人生について深刻に悩み、真っ向勝負の人生論を展開した寄稿文(明治29年10月・第五高等学校「龍南会雑誌」)があります。
 これによれば、「人生とは事物の幾遷推移であり(略)遭蓬百端千差万別、十人には十人の生活があり、百人には百人の生活があり(略)生涯を有す。」・・・・とあります。
 結局 「生まれた時は何者でなくても、死ぬ時は唯一の存在だ。」すなわち、生まれた時は野のものとも山のものともわからないが、人生を歩いていると失敗あり、喜びありで、しかし死ぬ時は人生が形作られている由にて、人生に万能なマニュアルはなく、オンリーワンであるとのことでした。