伸びやかで、奥深い。

日 時 2021年1月16日(土)10時30分〜12時
 モーツアルトの交響曲、(1)第32番、(2)第35番<ハフナー>
(3)第36番<リンツ>の3曲をCDで聴く集いがありました。
 (1)は、単一楽章で曲もソナタ形式という一般的な型であり、
提示部〜展開部〜再現部〜結尾部と作曲されています。
 ごく普通の作風ですが、内容はモーツアルトらしい重みの中
にも優雅さのある曲でした。
 (2)は、ジークムント・ハフナーが爵位を得たための祝賀曲で
あった曲ですが、この交響曲は以前(1776年)に同じザルツ
ブルクのハフナー家の婚礼のために作曲したセレナーデ(K.250)をベースにしたものとのことです。
 すなわち、そのセレナーデから楽器の編成や構造を変えて交響曲の形(4楽章)に変更した由。
 セレナーデからの転用のためか、耳に心地よいシンフォニーでした。
 (3)は、ウィーンに居たモーツアルトが妻のコンスタンツェとともに生まれ故郷のザルツブルク(写真)に里帰りした時に、ウィーンに残してきた長男のライムント・レオポルトが病死したとの連絡が入り、急ぎリンツ経由でウィーンへの帰途についた時のものだとか。
 この帰路の途中、リンツにおいて急遽演奏会が開かれることになりましたが、モーツアルトには交響曲の持ち合わせがなく、たった4日で書き上げたのがこの曲だそうです。
 曲は伸びやかで、奥深いものでした。