孤絶感が、源に。

日 時 2021年1月28日(木)10時〜11時30分
 大阪ゆかりの作家と題し、ノーベル文学賞受賞者・川端康成に
関する講座がありました。
 彼は1889年(明治32年)に大阪市北区に生まれ、父母の死に
よって茨木の祖父母に引き取られました。
 しかしここでも祖母が7才の時に死去し、16才になるまで祖父
と2人で暮らし、その16才の時に祖父も亡くなったので中学を卒業
と同時に上京しています。
 東京大学文学部を卒業後は文学を志し、数々の名作を生み出し
1968年(昭和43年)にノーベル賞を受賞いたしました。(69才)
 しかしペンクラブ等の多忙の中、1972年(昭和47年)夜、72才でガス自殺しております。(遺書はなし)
 上記の経歴で解りますように、16才で天涯孤独になった作家で、これを現す作品として「十六歳の日記」がありますが、内容は祖父の看取り日記で、27才の時に「あとがき」をつけて発表されており、これが川端文学の出発点であるとのこと。
 すなわち、1才で父を、2才で母を失い、祖父母に引き取られて育ちますが、7才の時に祖母を、そして別の親類に引き取られていた姉をも10才の時に失っています。
 孤児感情に苦しみ、また初恋と失恋を経て「伊豆の踊子」を発表します。(大正15年)
 その後、「雪国」「舞姫」「千羽鶴」等々を世に出し、ノーベル文学賞に繋がっていきました。
 なお、ノーベル賞受賞記念講演は「美しい日本と私」でした。