先日お亡くなりになられた

樹木希林さん最後の主演作『あん』を

DVDにて観させていただきました。

公式HP・あらすじ↓

http://an-movie.com/story/

この映画の物語はフィクションで、

登場人物も架空なのですが、

主演の樹木希林さん演じる徳江さん始め、

「どら春」の雇われ店長:千太郎、

「どら春」常連客の中学3年生女子:ワカナ・・・

それぞれ重いものを背負った

過酷な状況や刻々と変化する心理描写が

丹念に描かれており感情移入しまくりで、

涙、涙でした。。。

この映画は、間違った認識に基づき

ハンセン病患者を強制隔離し

人間の尊厳(基本的人権)を奪い、

患者本人やその家族を差別し続けた、

ある種の国家犯罪的な事実を暴露し

国家権力を強く批判するための映画でも、

「ハンセン病患者が哀れすぎる・可愛そう」

といった悲劇のヒロイン的描写・同情を

誘うような主旨の映画でもありません。

どのような過酷な状況にある人生であったとしても

“生きる”ということのありのままの真実を、

そして“今、ここに生きている”ということの

素晴らしさを河瀨直美監督が

“春になったら桜の花が咲く”、

“秋になったら木の葉が落ちる”ような・・・

自然な流れで淡々と描いているところに、

この映画の最大の魅力があるように思いました。

この世は陰陽二面性を持ったところですので、

希望を叶える場所という面と、

打ち拉がれ絶望する場所という面と

両方あると思います。

この映画の場合、

社会的困難な状況にある人たちの

前向きな心のありようと、

その生き方を描くことにより、

その二面性を超えたところにある

【生(せい)】そのものの素晴らしさ〜真の歓喜〜を、

映像として表現している、

愛あふれる映画だと感じました。

「私たちはこの世を見るために、

聞くために、生まれて来た。

この世は、ただそれだけを望んでいた。

・・・だとすれば、何かになれなくても、

私たちには生きる意味があるのよ。」

この映画の主人公同様、

樹木希林さんも逝ってしまいましたが、

だからこそ、より深みや真実性が

増した映画になっているようにも感じられました。

自らの死を自然な流れとして粛々と受け止められ、

今生最後の主演作としてこの映画を選ばれ、

まさに命をかけて演じ切られたことに

深い敬意を感じております。

今生の人生・・・

どうぞやり残すことなく、

全うして参りましょう。

「あれこれ悩んで、歩を止めている時間はない。

とにかく体当たりでドン☆と進んでいかなくっちゃ!

人生、長いようで短いわよ〜」って、

樹木希林さんにも言われている気がいたします(ー人ー)☆