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今日のフロリナ ~福祉の世界にアロマを!!~
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2010/02/24のBlog
[ 00:14 ]
今日もとっても暖かい1日でした。
病院の駐車場にいると車椅子の女性が出てこられました。
女性は私の真横に車椅子を止め
二人で日向ぼっこしている格好となりました。

無言でお日様に向かっているのも何なので
「とっても暖かいですね」と声をかけてみました。
寂しいお顔でお日様を見ておられるような気がしましたが
にっこり笑顔で「いい気持ちねー」と応えていただけました。

ふと母の車椅子を押して病院の中庭を散歩したことを思い出しました。
顔見知りの職員のかたが母を見つけて声をかけてくださいました。
「とってもいいお天気ですね」
腹水で腫れ上がっていた母は「私はもう死んでいるの・・・」と応えていました。
思わぬ言葉に職員さんも困られていました。

だから一人で車椅子で日向ぼっこされている方にも
声をかけるのをためらったけれど、笑顔で良かった。

今日は入院されているTさんの奥様にお顔のエステをさせていただきました。
患者さんにエステ?と思われるかもしれませんが
口から物を食べない方や、お話のできない方はお顔の筋肉もこわばります。

ご主人様が「女の子の幸せを・・・」と思われてプレゼントされたエステですが
施術後は表情がはっきりとされて透明文字盤を見ていただくと
目をしっかりと開けて指の動きもいい感じに見えました。
なによりご主人様が「肌が柔らかいし、つるつるですよねー」って喜んでくださって
嬉しい時間の共有です。

「後で奥様のほっぺにキスしてあげてくださいね」と言うと
テレておられるのか「言わないでくださいよー」とのこと。

(笑)私は変なおばちゃんではありません。

母が癌と闘って10数年。
抗がん剤を使わなかった母は手術だけが頼り。
名医が居ると聞いて
やれ大阪の病院、いや京都の病院と入院先を変えるたびに
私は朝始発の電車で病院に行きそのまま仕事に入っていました。
10年もたつと「私は癌なんだから・・・」も「わかってるって!」と思ってしまっていた。
正直面倒な気持ちも出たし、我儘に思えることがあって
だんだん私が息切れしていました。
そして母を抱きしめることをしなくなりました。

そうしたら母はある日自宅のお風呂で自殺を図りました。
幸い手首をしっかりと切る前に睡眠薬が効きすぎて未遂に終わりましたが
神経に後遺症が残りました。
うつになっていたのでしょう。
病気と闘うことに疲れたのかもしれない。
でも娘の愛情を取り戻す最後の手段だったかもしれない。

抱きしめてあげてくださいね。
キスをしてあげてくださいね。
病気と闘うには医学やお薬の力だけでは補えないことがいっぱいです。
死を意識して生きるのは本当につらくて寂しい、そして孤独な闘いです。

さて奥様の介護を頑張っておられるTさんをはじめいろんな男性介護者の方の
エピソードを載せた本がでました。
『男の介護』(失敗という名のほころび)吉田利康著 日本評論社
良かったら皆さん読んでみてください!。

2010/02/19のBlog
時々イギリスにいる娘にあれこれ食料品を詰めた
ダンボール箱を送ります。
サトウのご飯、レトルトのおでん、切干大根、おたべ、お汁粉
のり、鰹節・・・
百貨店やいろんなお店で日持ちのするものを見つけたときも楽しいし
箱に詰めたり、手紙を書いているときも
家で怒り飛ばしていたときとは違い(笑)、優しい気持ちになります。

私の母が在宅で癌のターミナル期を過ごしていたとき、私は実家から出勤するように
していました。母は朝になると在宅酸素のチューブをたらりたらりと音をさせて
台所にやってきます。台所で何を始めるかというと、椅子に座って
私のお弁当作りです。
母は転移した癌のせいで何一つ口に出来ないのに
「味見できないから美味しいかどうか・・・」といいながら
あったかいお弁当を渡してくれました。

いくつになっても
そして自分がどんな状態になっても
母親は「母親」なんだ。

それから母は横になります。
母の食事は点滴だけ。
それも浮腫がひどくなるので少しだけです。
出勤して昼休みに自転車を飛ばして家に戻り
点滴の針を抜くのが私の役目でした。「夕方帰るからね」
今思えばつらくて長い時間を一人ぼっちにしていました

人には誰かを助けてあげたいという「援助欲求」があります。
そして必要とされたいという「賞賛、承認の欲求」があります。
もしお母様を介護されている方があれば
してあげることばかりではなく
お母さんがいてくれるから毎日が幸せで
私は守られていて寂しくないと、何かの形で伝えてあげてください。

在宅で最後を迎えるために頑張っていた母でしたが
死の2週間前に病院に入院しました。
母のベットの横に簡易ベットを置いて寝ていた私は夜中に
気配で目を覚ましました。
そっと見ると母がベット越しに手を伸ばし私の頭を
まるで小さい子をなでるようになでてくれていました。

いつも月に一度アロマでお世話になっている「こざくらちゃん」は
地域の方に開かれた交流の場です。
そのこざくらちゃんでMさんが絵手紙を教えてくださるというので
初体験、参加させていただきました。

筆に墨汁をつけてまず線の引き方から。
ゆっくりゆっくり寝起きのミミズのようにゆっくり
ぐずぐずとした線のほうが味があるそうです。

今日の題材は「いちご」「バナナ」「りんご」「チューリップ」「お雛様」
みんなでワイワイ、悩んだり出来上がりを褒めたりしながら
春を感じる題材を自由に描いていきます。

小学校の図画工作の時間以来の楽しさです。
絵手紙なので文章を書き入れるとまた違った味がでてきます。
私はいちごを二つくっつけて描いて「大好き!」と文字をいれました。

なかなか「大好き!」って言えない人に送るといいのかな。


ALS患者のダグラス氏のHPに病気と付き合っていくための12か条というのが
描かれています。その中でなるほどと思ったのが
●希望を持ち続けること
●必要なだけ悲しむこと
●幸せな気持ちになること。楽しいことを選択していくこと。
●人の役に立つという喜びを持ち続けること

夕方は事故の後遺症で寝たきりになられているTさんの病室に伺いました。
お目にかかったときは少しぐったりとした様子でしたが
ご主人が最近購入された秘密兵器!メガネタイプのテレビを着けられると
とたんに目が生き生きとしてこられました。
今日はボサノバを聞いたりテレビを楽しんでいただきながら
手と足のトリートメント。
前回より緊張もとれてリラックスしていただけたようです。

ご主人に病院の屋上を案内していただき、そこから桜の木や広い河川敷を眺めました。
暖かくなったらTさんが車椅子で外出できるように・・・
ご主人は今、体調がベストではないTさんを一生懸命サポートされています。

Tさんがご主人にほっぺを刺激されながらにっこりと笑顔を見せられると
ご主人もとって幸せそうにされます。
Tさんはご主人が幸せと思われることに気づいておられます。
そして喜びを感じながら頑張っておられます!



関西学院大学の窪寺先生の著書「スピリチュアルケア入門」に
ある患者さんの書かれたこんな一節が載っています。
「自分が生きていると思っていたが、実は生かされていたんだ。
 自分が見ていたと思っていたが、実は見守られていたのだ。
 孤独だと思っていたが、実は愛されていたのだ。・・・」

スピリチュアルは「精神的」とか「霊的」「宗教的」ともとらえられますが
窪寺先生は「人生の危機状態の時に、生きる力や希望を見つけ出そうとする力、
危機の中で失われた生きる意味や目的を自己の内面に新たに見つけ出そうと
する機能」と定義されています。

難しい話ですがもし皆さんが思いがけない病気や事故で
人生の基盤が崩れたとき、何を考えられるでしょうか?

癌になった父は「世界が終わりになったらいい!」といいました。
癌が再発した母は「有利ちゃん(私の名前です)のせいや!」といいました。
みんな教科書どおりではありません。
いっぱい怒って、いっぱい悲しみます。


思いがけない人生の危機に対して
「どうして自分が」「自分が何故?」
不安や苦しみ、恐怖から立ち直るためになにが必要でしょうか。

本に書かれた患者さんの一節は
苦しみを乗り越えたあとのお気持ちでしょうね。
この気持ちになられる方はひょっとしたら一握りの方かもしれない。
不安や苦しみ、恐怖から逃れられない方がたくさんおられるかもしれない。

スピリチュアルケアは肉体的な苦痛を取り除くのと
全く同じぐらい重要で意味のあることだといわれます。

40代で交通事故に合われ寝たきりになられたTさんのベットの足元で
考えていました。
初めて会う人、初めて受けるトリートメント
Tさんの緊張を手のひらで感じながら考えていました。

本などにはよくその方の人生観など傾聴してと書かれていますが
お話のできないTさんは思いをどこにぶつけられるのでしょう。

毎日毎日髪をなで、手や足をマッサージして
話しかけて献身的に介護されているご主人に
「有難う」「大好き!」って言葉に出して言えないもどかしさは
どんなに辛いでしょう。
ご主人の手のぬくもりや声の様子で
ご主人の体調もTさんはきっと判っておられる。
「疲れてない?」「今夜は暖かくして休んでね」
と声をかけたいときもおありだと思います。

本で読んだこと、人に聞いたこと、そして自分の両親の介護の体験
全部今には繋がらないことに気がつきました。
人は一人一人、ぶつかる壁の大きさも捉え方も違うから・・・。

Tさんの場合を
ご主人の思にそいながら
考えていけたらと思います。



2010/02/04のBlog
いつも月の初めの木曜日は今津にある「ひとややすみこざくらちゃん」の
2階を借りてさせていただいています。
今日は何故か東京から取材の方が入られていてカメラの回る中で
「認知症の方にトリートメントは効果ありますか」等ご質問をうけながら
トリートメントになりました。

発語が多くなられたとか
活動的になられたとか
または昼夜逆転が直ったとか
目に見えて効果があればいいのですが
なかなか絵に描いたようにはいきません。
取材の方には申し訳なかったのですが
うまく答えられませんでした。

認知のない方は足が軽くなった、こむら返りがなくなった
寝やすかった、心が軽くなったと言ってくださいますが
ではそんな言葉がないと効果はないのでしょうか。

そうは思いません。動かさない手や足の筋肉をトリートメントで他動的に動かす
こととで血流も良くなり免疫力もつきます。
何よりもじっくりとその方に向かい合うことができます。
嫌なこともいいこともお話してくださいます。

こんな答えでは絵にならないなかったかな。
反省しながらトリートメント中。
今日は素晴らしいお出会いをいただきました。

事故で寝たきりになられた奥様の介護をされているTさん。
西洋医学では限界を言い渡されたTさんは
奥様のために東洋医学やホメオパシー、気功等たくさん勉強されました。
私が勉強したいと思っていた沈先生の気功も名古屋まで通って習われ
私が講演会に足を運んだり、著書を読んでいただけの帯津先生にも
直接指導を受けにいかれ、
今まさに介護されている方の勉強熱心さに感動しました。
奥様への愛情の深さが原動力!

改めて皆さんに向かい合っているようで
そうでなかったことに気が付きました。
まだまだ勉強不足・・・。

Tさんはトリートメントを受けてくださって
是非奥様にも!と思ってくださいました。

そして私も忙しさにかまけて勉強できなかった気功を
学んでみたいと思えるように
背中を押していただいた出会いでした。

勉強しなくっちゃ!
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