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今日のフロリナ ~福祉の世界にアロマを!!~
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2010/02/19のBlog
いつも月に一度アロマでお世話になっている「こざくらちゃん」は
地域の方に開かれた交流の場です。
そのこざくらちゃんでMさんが絵手紙を教えてくださるというので
初体験、参加させていただきました。

筆に墨汁をつけてまず線の引き方から。
ゆっくりゆっくり寝起きのミミズのようにゆっくり
ぐずぐずとした線のほうが味があるそうです。

今日の題材は「いちご」「バナナ」「りんご」「チューリップ」「お雛様」
みんなでワイワイ、悩んだり出来上がりを褒めたりしながら
春を感じる題材を自由に描いていきます。

小学校の図画工作の時間以来の楽しさです。
絵手紙なので文章を書き入れるとまた違った味がでてきます。
私はいちごを二つくっつけて描いて「大好き!」と文字をいれました。

なかなか「大好き!」って言えない人に送るといいのかな。


ALS患者のダグラス氏のHPに病気と付き合っていくための12か条というのが
描かれています。その中でなるほどと思ったのが
●希望を持ち続けること
●必要なだけ悲しむこと
●幸せな気持ちになること。楽しいことを選択していくこと。
●人の役に立つという喜びを持ち続けること

夕方は事故の後遺症で寝たきりになられているTさんの病室に伺いました。
お目にかかったときは少しぐったりとした様子でしたが
ご主人が最近購入された秘密兵器!メガネタイプのテレビを着けられると
とたんに目が生き生きとしてこられました。
今日はボサノバを聞いたりテレビを楽しんでいただきながら
手と足のトリートメント。
前回より緊張もとれてリラックスしていただけたようです。

ご主人に病院の屋上を案内していただき、そこから桜の木や広い河川敷を眺めました。
暖かくなったらTさんが車椅子で外出できるように・・・
ご主人は今、体調がベストではないTさんを一生懸命サポートされています。

Tさんがご主人にほっぺを刺激されながらにっこりと笑顔を見せられると
ご主人もとって幸せそうにされます。
Tさんはご主人が幸せと思われることに気づいておられます。
そして喜びを感じながら頑張っておられます!



関西学院大学の窪寺先生の著書「スピリチュアルケア入門」に
ある患者さんの書かれたこんな一節が載っています。
「自分が生きていると思っていたが、実は生かされていたんだ。
 自分が見ていたと思っていたが、実は見守られていたのだ。
 孤独だと思っていたが、実は愛されていたのだ。・・・」

スピリチュアルは「精神的」とか「霊的」「宗教的」ともとらえられますが
窪寺先生は「人生の危機状態の時に、生きる力や希望を見つけ出そうとする力、
危機の中で失われた生きる意味や目的を自己の内面に新たに見つけ出そうと
する機能」と定義されています。

難しい話ですがもし皆さんが思いがけない病気や事故で
人生の基盤が崩れたとき、何を考えられるでしょうか?

癌になった父は「世界が終わりになったらいい!」といいました。
癌が再発した母は「有利ちゃん(私の名前です)のせいや!」といいました。
みんな教科書どおりではありません。
いっぱい怒って、いっぱい悲しみます。


思いがけない人生の危機に対して
「どうして自分が」「自分が何故?」
不安や苦しみ、恐怖から立ち直るためになにが必要でしょうか。

本に書かれた患者さんの一節は
苦しみを乗り越えたあとのお気持ちでしょうね。
この気持ちになられる方はひょっとしたら一握りの方かもしれない。
不安や苦しみ、恐怖から逃れられない方がたくさんおられるかもしれない。

スピリチュアルケアは肉体的な苦痛を取り除くのと
全く同じぐらい重要で意味のあることだといわれます。

40代で交通事故に合われ寝たきりになられたTさんのベットの足元で
考えていました。
初めて会う人、初めて受けるトリートメント
Tさんの緊張を手のひらで感じながら考えていました。

本などにはよくその方の人生観など傾聴してと書かれていますが
お話のできないTさんは思いをどこにぶつけられるのでしょう。

毎日毎日髪をなで、手や足をマッサージして
話しかけて献身的に介護されているご主人に
「有難う」「大好き!」って言葉に出して言えないもどかしさは
どんなに辛いでしょう。
ご主人の手のぬくもりや声の様子で
ご主人の体調もTさんはきっと判っておられる。
「疲れてない?」「今夜は暖かくして休んでね」
と声をかけたいときもおありだと思います。

本で読んだこと、人に聞いたこと、そして自分の両親の介護の体験
全部今には繋がらないことに気がつきました。
人は一人一人、ぶつかる壁の大きさも捉え方も違うから・・・。

Tさんの場合を
ご主人の思にそいながら
考えていけたらと思います。



2010/02/04のBlog
いつも月の初めの木曜日は今津にある「ひとややすみこざくらちゃん」の
2階を借りてさせていただいています。
今日は何故か東京から取材の方が入られていてカメラの回る中で
「認知症の方にトリートメントは効果ありますか」等ご質問をうけながら
トリートメントになりました。

発語が多くなられたとか
活動的になられたとか
または昼夜逆転が直ったとか
目に見えて効果があればいいのですが
なかなか絵に描いたようにはいきません。
取材の方には申し訳なかったのですが
うまく答えられませんでした。

認知のない方は足が軽くなった、こむら返りがなくなった
寝やすかった、心が軽くなったと言ってくださいますが
ではそんな言葉がないと効果はないのでしょうか。

そうは思いません。動かさない手や足の筋肉をトリートメントで他動的に動かす
こととで血流も良くなり免疫力もつきます。
何よりもじっくりとその方に向かい合うことができます。
嫌なこともいいこともお話してくださいます。

こんな答えでは絵にならないなかったかな。
反省しながらトリートメント中。
今日は素晴らしいお出会いをいただきました。

事故で寝たきりになられた奥様の介護をされているTさん。
西洋医学では限界を言い渡されたTさんは
奥様のために東洋医学やホメオパシー、気功等たくさん勉強されました。
私が勉強したいと思っていた沈先生の気功も名古屋まで通って習われ
私が講演会に足を運んだり、著書を読んでいただけの帯津先生にも
直接指導を受けにいかれ、
今まさに介護されている方の勉強熱心さに感動しました。
奥様への愛情の深さが原動力!

改めて皆さんに向かい合っているようで
そうでなかったことに気が付きました。
まだまだ勉強不足・・・。

Tさんはトリートメントを受けてくださって
是非奥様にも!と思ってくださいました。

そして私も忙しさにかまけて勉強できなかった気功を
学んでみたいと思えるように
背中を押していただいた出会いでした。

勉強しなくっちゃ!
2010/02/01のBlog
お仕事柄お会いする方は70代80代の方も多く
お元気なスーパー高齢者(と呼ばせていただきます)は
ご自身には厳しく人には穏やか、
・・・ですが時として世の中を斜に構えて見ておられます。
ひよっこどもが何をいうやらって感じ。

あるスーパー高齢者の方がほかほか弁当のすきやきうどんを食べておられました。
すきやきうどんに生卵、ご飯梅干お漬物のとりあわせ。
ほかほか弁当を買うことのない私は
その炭水化物オンパレードな内容といい(うどんにご飯なんておかずないやん)
仕切られた容器にも興味津々。
その方が容器のふたを開け、おもむろに生卵を取り出したので
「生卵はどこに入れるんですか?」と聞いてみました。
その方は無言でティッシュを取り、今生卵が入っていた仕切りを綺麗に拭かれます。
(ああ、そこに入れるんだ・・・)と思い他のことをしていると
「会話というものはねー」と始まりました。

「あんた今生卵どこにいれるんか気になったんやろ。
そやから実演してみたんや。ほな『ああそこに入れるんですね』って
いうもんやろ。そしたらワシが『そうや、よう覚えとき』って
会話は成立するんや。あんたのはやりっぱなしや。会話が続かんわ」

よく考えてみると日頃から言いっぱなしが多いです。
自分で勝手に納得したり早合点したり
すぐ他のことに気をとられたり、次の話題に移っていたり。

携帯でメールしながら会話とかしょっちゅうで
会話の内容を覚えていなかったり。

スーパー高齢者の方はながら会話はされません。
上の句下の句を詠むように
ゆったりとしたそして確かな手ごたえのある
キャッチボールを楽しまれます。

もくもくと炭水化物を食べ終わられ
割り箸を置かれてお弁当のから容器を持ち上げたり
周りのものをどけたり探し物。
「どうされました?」
「箸紙がないんや」
「あっ、ごめんなさい。さっき蓋と一緒に捨てました」
「ワシはべ終わって箸を入れて捨てるんや。
人それぞれやから物を捨てるときは聞かんとなー」

恐れ入りました!
まだまだこれは入門編!

[ 07:02 ]
ターミナル期に入った利用者さんのおられる施設。
スタッフの皆さんは利用者さん、そしてご家族が穏やかな気持ちで
過ごしていただけるよう細心の注意をはらっておられます。

その中でお部屋の香りに工夫はできないかなとのご相談をうけました。
私が父と母を看取ったときも
死を目前にして病室に独特の匂いを感じました。
家族としては死が近いことが判っていても
とても辛いものです。

施設の皆さんのお好きな香りは
よく知っている香り。
オレンジやグレープフルーツ、柚子です。
(ハーブ系やお花は人工的なものに慣れておられて精油の香りは違うようです)

でもそういう香りは
亡くなったあと辛い思い出に繋がる香りになってしまうよ
とご指摘も受けました。

よく知っている大好きな香りが
使い方によっては悲しい香りに変わってしまう。

アロマで何かできないかな・・・と施設の方に思っていただけるのは
嬉しいことですが、本当に良い結果がうまれるかは難しいことです。

情報がいっぱいあって香りのある生活がお洒落に紹介されて
アロマがいろんな場面で利用されてても
自分や家族以外に使用することは難しいものだなと思いました。