「不安」を「安心」に変えるには?

C.U.Pはもともと子どもの人権を守る活動をしてきました。
CAP(子どもへの暴力防止プログラム)の提供もその一つですが、
私は親向けのワークショップの中で、子どもにニュースを見せないで欲しいと
お願いしています。

不安を煽るだけのニュースに対して、大人はもう少し注意深くなる必要が
あるのではないでしょうか?生きる力を奪うものは、圧倒的な無力感です。
子どもを守り慈しみ育てることは社会の責務であるといいながら、
社会の醜さと破壊、暴力、死に関する情報をこれ以上こどもに伝える必要は
まったくないでしょう。

メディアリテラシーは、生きることに必要な情報を選択する力であると
言い換えることも可能でしょう。現代社会において「不安」は、マーケットに
なりました。大人は「不安」を打ち消すために「安心」を買うことができます。
しかし、子どもの「安心」は、携帯電話や防犯ブザーを持っていることで
得られるものではありません。

ちゃんと話ができること。自分の存在をまるごと受け止めてくれる人に出会え
るまで諦めないこと。これは、おとなも子どもも同じです。
困難なことに立ち向かうには、誰かの力が必要です。ひとりぼっちにならない
ことも大切。孤立することがとても簡単な環境に私たちは生きています。
だからこそ、いたるところで声を出す必要があるのです。

私はここにいるよ。手をつなごうよ。

「私にできること」をいっぱい考えてみる。ともだちと。恋人と。連れ合いと。
仲間と。親子で・・・
できることの「芽」は本当は、たくさんある。そんな語らいの場がたくさん
たくさん必要なんですよね。「安心」を得るためには。