認知症を持つ人も、持たない人も、共に明るく暮らせる社会

9月に入った今日は6日です。城陽市の友愛ホーム主催による認知症予防教室に、月に一回、6月から伺っています。自分の足で参加される元気な中高年の方がほとんどです。皆さんの参加目的は、認知症予防が本当にできるの? という疑いを半分はお持ちと推察しました。今日で4回目の教室ですが、新人が何人も居られます。

本来の教室はゲームで笑って元気を回復されたら成功、お別れとなりますが、元気中高年の半分が疑問ありという方たちは、私にしますと、言わば理想のターゲットなのです。
最初にホームの職員さんによる筋トレ体操が行われるので、私も仲間に入れてもらって体操をします。指折り体操「1から10」や、「グッパ—体操」もあります。これは脳活性化教室のゲームと全く同じルールです。筋トレ体操が終わると、続いて認知症予防ゲームで、すぐ後なのに、同じことをしなければなりません。完全な二番煎じ・・・。
ここで困ったなあとは思わないで、私は違いを理解して頂く絶好のチャンスと受け止めます。

筋トレが目標の場合と、脳活性化による認知症予防ゲームのルールが全く同じですから、同じじゃないか、などと思わせたら、チャンス潰しになって、私が講師に招かれた意味がないではありませんか! 張り切るとはこういう時です。
 一緒に筋トレ体操に入らせて頂いたので、目的が違えば同じルールでもこんなに違うのかと、とても良い勉強になりました・・・、と思って頂くのが私の役目です。

 30人を超える参加者さんは、「お年寄り」とは言えない、まだまだ元気な社会人ばかり。年齢なんて聞く必要もありません。そのような人たちが何を目的に今日の予防教室に参加されているのか? 言わずと知れた、「認知症予防教室」の目的遂行、認知症予防を求めて来てくださっているのです。ここで、予防ゲームの価値を身に染みて覚えていただく。社会に還元できるようになって帰っていただく。私の今日の目的は一瞬で予定を大きく変えてしまいました。
 
 ということは、私は参加者皆さんの、社会人としての役割に目覚めて頂くことを半分の目的にしました。社会人、健常者、皆さんがむざむざ認知症にならないように、介護保険法第4条の国民の義務、「予防」の意味を、個人から社会に置き換える必要性をお話しました。世の中、自分さえ良ければ、という狭い心ではこれからの超高齢社会の一員としては、褒めた生き方ではありません。世の中を変革させる、これからは認知症の人も一緒に、町中が明るい気持ちでもろともに生きていけるような、福祉革命の担い手になって頂きたいと願うからです。

そのために私は予防ゲームの一つずつが、筋トレ体操と同じルールであっても、目的意識と進め方が違えば、どれほど結果が違うかを、参加されたお一人ずつに身をもってふか〜く実感して頂くように、解説を交え、ルールだけを忠実に行う進め方と、脳活性化を目的とする進め方が、どのように違うかを、体験の中から自覚できる方法でリードをしました。皆さん、お一人ずつが、目が覚めたようなお顔になられて、意味・効果を実感してくださいました。そこで追っかけて私が話しましたのは、二つ、三つはゲームの進め方を覚えて持って帰って、身の回りの人と一緒にやってください、予防ゲームを広げてください、認知症を少しでも改善させて、明るく暮らせるように、共に笑顔で暮らせるご近所さん、友人仲間を広げて、介護保険にストレートに突入しないで、食い止めて、介護保険が必要な人は遠慮なく必要なだけ介護保険を使ってもらえる社会に、福祉革命を起こしてください、とお願いしたのです。

皆さん本気で共感してくださいました。その証拠は、「でんでんむしのゲーム」が1分にも足りない短い歌だが、その中で脳の活性化を8種類も同時に実現させていると解説しましたところ、何人もの方が筆記道具を出されて、8種類をもう一度言ってほしいと言われて、熱心にメモ書きされました。覚えやすい順番も説明して、誰とでも一緒にこのゲームをやって、自然な大笑いで前頭葉を活性化、脳のリハビリともいえるような効果を知っていただくことを、半分の目的、ご自分の脳の活性化を以って、ご自分の認知症予防を半分の目的に、教室を終わりました。