<マンガの食卓>
担当編集が語る マンガの「食」の魅力を語り尽くす何度も“おいしい”一冊
のカバー
話題の書籍の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、マンガに登場する料理をテーマとした南信長さんの「マンガの食卓」(NTT出版)です。NTT出版の神部政文さんに作品の魅力を聞きました。
−−この書籍の魅力は?
マンガを読んで“この料理が食べたい!”と思ったことのある人は少なくないでしょう。ときに食欲を激しく刺激され、ときに忘れられない強烈な印象を読者に残す、マンガの食のシーンや料理を一堂に集めて、その魅力を余すところなく語り尽くしたのが本書です。
最近、「花のズボラ飯」「信長のシェフ」「孤独のグルメ」「おとりよせ王子 飯田好実」など、多くのマンガがテレビドラマ化されています。一口に食マンガといっても、美食からB級グルメまで、本当に多様な表現が生まれています。
本書は、グルメマンガの変遷、食事シーンの役割や作家ごとの食の描き方の比較などを通して、200以上のマンガを紹介する、一冊で何度も“おいしい”本です。
−−作品が生まれたきっかけは?
本書の企画は、南さんの前著「現代マンガの冒険者たち」(NTT出版、2008年)を担当した初代の担当編集者によるものです。南さんが、とあるフリーペーパーで本書の基となる連載をしていたのがきっかけです。
南さんも担当者も、“あのマンガ”の“あの料理”を語り出したら止まらずに、すぐ企画にまとまったそうです。二人とも食マンガの虜なのです。
−−作者はどんな方でしょうか?
南信長さんは、マンガの解説者として長年にわたり執筆活動をされている、日本で最高のマンガ案内人の一人です。朝日新聞の読書面コミック欄では10年以上連載が続いており、「南さんが取り上げたなら……」ということでマンガを手にとるファンも多いです。
著者の「現代マンガの冒険者たち」も、マンガ表現の“今”を知るための必読書です。“新保信長”名義での著作も多数あり、文化全般に広い知識を持っています。