イスラム食、おいしい商機 「ハラール」、
豚・アルコール避ける 観光客増、店が続々
2013年11月5日05時00分
ハラール処理された牛肉でバーベキューを楽しむマレーシアなどの留学生ら=宇都宮市
イスラム教徒向けのビジネスが熱を帯びている。東南アジアを中心に日本を訪れる観光客らが増えるなか、イスラム食を出すレストランやホテルが増加。海外にイスラム食を輸出する業者も出始めている。
宇都宮市で2日、マレーシア人留学生らと日本人の約30人が交流バーベキューパーティーを開いた。イスラム教の戒律に従い、豚肉やアルコールは使わず、牛肉も手順に沿って処理された。
主催したのは、イスラム教徒向けの食品などの普及をめざす「ハラル・ジャパン協会」(東京都)。留学生のリダ・モハマドさん(32)は「日本では食べられないものが多い」と話すが、この日は安心して参加した。
同協会によると、イスラム教徒への「ハラール食品」を用意する飲食店が都心を中心に増えている。東京・池袋の「ハラル・デリ」は4月、観光客やビジネスマン向けにハラール弁当の宅配を始めた。来日したエジプトのサッカーチームからも注文があり、担当者は「広く届けたい」と話す。
背景には、東南アジアのイスラム教徒が多い国からの訪日の増加がある。日本政府観光局の1〜6月の推計では、インドネシアから前年同期より5割増の6万5200人、マレーシアから16・5%増の7万人強が訪れた。協会は、2020年の観光客のハラール需要が11年の4・5倍の1200億円に膨らむとみる。
イスラム食の「認証」も広がる。コンサルタント会社「マレーシアハラルコーポレーション」(東京)は、マレーシア政府外郭団体からハラールの正確な知識を持つ「監査人」資格を取得。11年から国内の現状に合わせ、飲食店を認証している。
加森観光(札幌市)は昨秋、系列5ホテルのレストランで認証を受けた。その一つ、ルスツリゾート(北海道)には昨年末、マレーシアの建設会社員と家族ら約250人が4連泊した。「問い合わせはインドネシアやマレーシア、アラブ各国からある」という。
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