キウイの乳酸菌でヨーグルト…福島

キウイの乳酸菌でヨーグルト…福島
2014年05月30日 10時08分

東大教授ら開発…免疫力アップ

新たな乳酸菌で作ったヨーグルトを手にする今長谷社長(左)と関水教授(28日、本宮市の東北協同乳業で)

JA全農の子会社「東北協同乳業」(福島県本宮市、今長谷浩社長)は、東大薬学部の関水和久教授(63)(微生物学)がキウイから発見した乳酸菌と福島県産牛乳を使ったヨーグルトを開発し、7月から県内の病院などに販売する。

 従来の乳酸菌よりも免疫力が高まる実験結果が出ているといい、今後、県立医大の協力を得て人の免疫活性化の効果も確かめる。

 新たな乳酸菌「11/19—B1」は、関水教授がキウイの皮から発見した。

免疫力が上がると筋収縮の度合いが増す蚕の特性を利用して、この乳酸菌を蚕に与える実験をしたところ、市販のヨーグルトに使われている一般的な乳酸菌と比べ、3倍程度の効果があったという。

 関水教授は昨年2月、「研究成果を被災地の健康増進と酪農の復興に役立てたい」と、同社に商品化を持ちかけた。

県産牛乳を販売する同社は、東京電力福島第一原発事故による風評被害で売上が落ち込んだままで、新商品によるイメージアップにも期待して共同開発を開始した。

 当初、発酵に3日間かかるなど効率が悪かったが、発酵を補う別の乳酸菌と組み合わせることで5時間程度に短縮できた。

 同社は、県立医大の研究結果を踏まえて特定保健用食品の申請を検討したいとしている。

関水教授は「人への効果の研究はこれからだが、体が弱った人や高齢者に効く可能性がある」と話している。

2014年05月30日 10時08分 Copyright © The Yomiuri Shimbun