希少糖、海外大と研究へ 兵庫・伊丹の松谷化学工業
2014/7/17 6:00日本経済新聞 電子版
でんぷん加工大手の松谷化学工業(兵庫県伊丹市)は海外の大学と希少糖と呼ばれる独自の甘味料について共同で臨床研究を始める。
希少糖を発見した香川大学などと連携し、米国とタイ、ブルネイの3大学と今夏以降に着手する。
血糖値の上昇抑制などの治験をまとめ、海外で製造・販売を始める布石にする。
研究するのは「D—プシコース」と呼ばれる単糖の1種。松谷化学と香川大がでんぷんからの量産技術を確立した。
砂糖の9割の甘さがあり、国内食品メーカーなどに供給を伸ばしている。グループ会社がシロップ状甘味料も商品化した。
砂糖の摂取量が多いタイのチェンマイ大学から研究者が月内にも来日。
イスラム圏のブルネイのダルサラーム大学にも香川大の研究者が赴き、共同で臨床研究に着手する。
肥満人口の増加が社会問題となっている米国でも有力大学と研究準備を進めている。
松谷化学の2013年11月期の売上高は512億円で、うち約20億円が希少糖関連。専用工場を13年に香川県宇多津町に稼働させた。