http://wol.nikkeibp.co.jp/article/special/20100405/106600/
日本人の健康を支えてきた食材、大豆。
数ある大豆食品の中でも圧倒的な健康効果を持つのが納豆だ。大豆そのものが持つ栄養に加え、納豆には発酵食品ならではの様々な効果がある。
なかでもうれしいのが、女性ホルモンに似た構造を持つ大豆イソフラボンの作用だろう。
「イソフラボンは乳腺(にゅうせん)では女性ホルモンの働きを抑えて乳がんのリスクを抑える一方、骨ではカルシウムの流出を抑える。
また、閉経で女性ホルモンの血中濃度が下がると、それを補うような働きをする」と東京農業大学の上原万里子教授は話す。
まるで女性の守護神のように働くイソフラボンだが、実は大豆に含まれているときは糖がついているために体に吸収されにくい。
それが納豆になると納豆菌の働きで、一部は糖が外れた「イソフラボンアグリコン」になり、吸収されやすくなるというから、納豆はまさに女性の味方。
さらに、納豆はお通じの改善効果も最強クラスだ。オリゴ糖や食物繊維といった腸を元気にする成分がある大豆に、納豆菌のパワーが加わる。
納豆菌の大部分は胃酸で死んでしまうが、種の状態のもの(= 芽胞(がほう))が腸まで届くと再び納豆菌になり、善玉菌の敵(=活性酸素)を消してくれる酵素や、善玉菌の餌を作り出す。
納豆はあの手この手で腸内環境を整えてくれる、頼もしい応援団なのだ。
そして、納豆を食べることはこれからも健康な体でいるための貯金にもなる。「納豆菌が作り出すビタミンKは、骨にカルシウムがくっつくのに欠かせないうえに、骨からカルシウムが流出するのを抑える働きもある。
丈夫な骨作りにこれら両面で働く」と倉敷芸術科学大学の須見洋行教授は説明する。