タマゴを食べてもコレステロールは上がらない?
(3/3ページ)2014/7/4 6:00
■未解明な部分が多く、「少し控えめ」が賢明
正常な人や疾患を持つ人が1日に何個まで食べていいのかも判然としない。
正常な人に1日2〜3個ずつ1カ月ほど食べ続ける実験ならばやりやすいが、既にコレステロールが高い人に大量のタマゴを毎日食べ続けてもらう実験は難しい。データがそろっていないのが実情のようだ。
血中コレステロールの数値にしても、最近では総コレステロール値よりも、コレステロールを体内に運ぶ「悪玉」と、回収を担う「善玉」の比率が大事だとする説も有力で、いずれにしても未解明の部分は多い。
つまり、現時点での結論は次のような感じだ。
1日1〜2個のタマゴであれば多くの人には影響しない。タマゴには脳の機能を高める「コリン」や目に良い「ルテイン」などの栄養素や良質なタンパク質を含み、摂取を控えすぎるとプラスよりもマイナスの方が大きくなってしまう可能性がある。
必要以上に怖がる必要はないが、既にコレステロールが高い人は吸収しやすい体質の可能性があるので、やはり少し控えめにした方が良い。
医務室に呼び出されてようが、好きなだけタマゴを食べていい。そんな「おいしい話」は、やはり簡単にはないのである。(吉野浩一郎)