ヤフーも驚くSNS援軍 セルビア募金成功の裏側

ヤフーも驚くSNS援軍 セルビア募金成功の裏側 (村山らむね)

 セルビア募金の場合、5月22日の開始からしばらくは100万円ほどで伸び悩んでいた。

ところが、セルビアの震災支援のエピソードと洪水被害や募金活動を、今年4月に始まったばかりのバイラルメディア「grape(グレープ)」が記事化。

ヤフーの募金サイトにない洪水の被害を伝える動画も紹介すると、ツイッターで言及が4000を超え、フェイスブックでは10万以上「いいね!」された。

その後も複数のバイラルメディアやブログが自発的に記事を書くと爆発的に拡散し、募金額が急増した。

 むらやま・らむね 慶大法卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経てマーケティング支援のスタイルビズ(さいたま市)を設立、代表に。

 ヤフーは国内ネット界で「王者」的存在。これまで他サイトに送客こそすれ、逆に他サイトから恩恵を受けることは少なかったが、バイラルメディアの威力には驚きを隠せないようだ。

 今後あらゆるサイトが集客を考えるうえで、バイラルメディアの拡散力は見逃せない。大手資本が入るベンチャーだけでなく、個人が運営するものも多い。

動画やペット画像、笑えるネタなど、テーマを設けたバイラルメディアが人気だ。既に脱落したものもあり、今後はどこが生き残るかも注目される。

 瞬間的に誰かに教えたい、心を動かすコンテンツがSNSで、あっという間に拡散し募金や購買などにつながる。スマートフォン(スマホ)の普及で、この影響力はますます拡大しそうだ。

(通販コンサルタント)

〔日経MJ2014年7月25日付〕