みんなの○○:そうめん ゆで方 もみ洗いでぬめり落とす

みんなの○○:そうめん ゆで方 もみ洗いでぬめり落とす毎日新聞 2014年08月12日 東京朝刊
田中嘉織さん

ゆでたそうめんはザルに上げ、流水にさらしながら洗う。ぬめりを取り、水で締めると麺のおいしさが変わる

冷やしで食べる時は氷水で締め、温麺なら再び熱湯へ。器に盛る前にしっかり水を切ろう=いずれも東京都中野区の「阿波や壱兆」で、喜屋武真之介撮影

 夏といえばそうめん!

 暑さに食欲も落ちる時、さっぱりした食感が最高だ。
そうめん専門店「阿波(あわ)や壱兆(いっちょう)」(東京都中野区東中野1)の店長、
田中嘉織(かおり)さん(44)に、一層おいしく食べる工夫を教えてもらった

 まずは、ゆで方。沸騰したたっぷりのお湯に麺を入れ、袋などに書いてあるゆで時間より30秒ほど前から、箸で1、2本ずつ引き上げて味見してみよう。

「硬さの好みもあるでしょうし、手延べの麺なら微妙に太さが違うので、時間通りでなく自分で確かめて」。

田中さんの店では郷里の徳島県の特産で、少し太い「半田そうめん」を使っており、ゆで時間はやや長め。

冷やしで食べる時は5分50秒、温麺(おんめん)にする時は食べる直前に再び温めるので少し短い3分40秒を目安に、お客さんの好みも聞いて調節している。

 ゆであがったら麺をよく洗う。このひと手間で味が変わる。「そうめんを作る過程で使われた塩と油や、ぬめりを洗い落としましょう。水で締めることでコシも出ます」 

洗う時は、流し台に水を張ったボウルを用意。ゆでた麺をザルに上げてボウルの水へ浸し、流水にさらしながら洗う。

最初は麺に触らずボウルの中でザルを揺するだけ。粗熱が取れたらボウルの水を替え、次は米を研ぐように麺をもみ洗いする。

「麺が切れない程度に力を入れてしっかり洗います」。ボウルの水を2、3回替えて洗いを繰り返そう。ぬめりが取れていくのが手の感触でわかるという。

 冷やしで食べるなら、最後にボウルに氷を入れ、麺を氷水にさらしてキリッと冷やす。温麺にするなら再び熱いお湯に麺を入れ、約30秒温める。
そして、どちらも麺を手でギュッと押してしっかり水を切ってから、器に盛ろう。

 このまま麺つゆにつけて食べてもいいが、田中さんのお勧めは、うどんのようにだしをかける「ぶっかけ」。

「阿波や壱兆」では、徳島から取り寄せた、かつお節、昆布、煮干しなど、数種類をブレンドしただしに薄口しょうゆを加え、お吸い物より少し濃い程度の味に調えている。

冷やせばさっぱりと、熱くすればだしの香りを楽しめる。家庭では市販の白だしや、うどん用だしも活用しよう。【石井朗生】