「銀座寿司幸本店」流 手巻きより旨い“パリッと巻き”
今回指導してくれた杉山さんは、銀座で127年の歴史をもつ「銀座寿司幸本店」の四代目。正統派江戸前の基本を守りつつ、遊び心も忍ばせた仕事に定評がある。
自宅で巻き寿司を極めるためには師匠も一流でなければ。銀座の老舗「寿司幸本店」の暖簾を守る杉山衞さんに、手巻きより旨い、“パリッと巻き”を教えてもらった。
杉山さん、スーパーで購入した食材にひるむことなく、「マグロとタイはヅケ、牛肉は甘辛炒め、エビはアボカドと、ツナは干しエビと合わせるか」と、次々にアイデアが飛び出してくる。
まずは最も肝要な、酢飯づくり。市販の寿司酢を使わず、赤酢と塩だけの塩シャリづくりだ。
「ネタが濃い味なので、酢飯に甘味を入れるとくどくなる」と杉山さん。
続いて巻き寿司のタネが、矢継ぎ早に完成。酢飯の次に大事なのが、海苔。なるべく事前に、直火にかけずに炙って、香りと食感を生かす。
さあ、巻きだ。直接手で円錐形に巻くかと思えば、巻き簀の登場。
「これとスプーンを使えば手が汚れずに、しかも食べやすい」と、うれしき配慮。
食べれば冷凍マグロや牛肉が、ブラックタイガーや鶏挽き肉が、海苔と酢飯の中で生き生きと弾け、笑顔呼ぶ。
実践してみたが、どうも素人は、酢飯が多く、巻きが緩く、太くなりがちだ。まあそれでも許されるのが、巻き寿司の寛容だけど、ここはきりっと決めたほうが美しい。
さあお父さん。「寿司幸本店」流パリッと巻きで、明日からスターだぞ。