野菜が健康に良いのはそれが“毒”であるから!?
今村 甲彦 今村 甲彦All Aboutガイド
・植物は動いて捕食者から逃げることができないので、様々な化合物を使って昆虫や動物を撃退する手の込んだ防御術を発達させてきた。
・植物が作るそうした有毒物質は果物や野菜にも低濃度含まれていて、人間もそれを食べている。それらの化合物にさらされると私たちの体内の細胞では穏やかなストレス応答が起こり、抵抗力や回復力が高められる。
・こうした弱いストレスが体に適応する過程は「ホルミシス」と呼ばれ、健康上の利点がある。例えばブロッコリーやブルーベリーを食べることが脳の病気の予防に役立つ。
<日経サイエンス 201601 第46巻第1号>より
現代の薬理学者と毒物学者、生化学者も高濃度であれば毒になる植物性物質が、少量であれば健康に良い効果を生み出すことを確認しつつあるようです。
その他、絶食や運動が健康に良いのも、弱いストレスを脳細胞に与えることが健康に良い影響を及ぼしているからと指摘しています。
カフェインなどを過剰に摂取すると害を及ぼす可能性があるというのも、これに関係しているのかもしれません。
過度のストレスが毒になるところ、少量では健康に良い影響を及ぼすというのは興味深いところです。
今村 甲彦 今村 甲彦 All Aboutガイド 医師。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。
久留米大学病院高度救命救急センターを経て、現在は地域の中核病院で内科診療および内視鏡検査に励む。
https://www.facebook.com/biokitchen/
「患者さんの声に常に耳を傾ける」ことをモットーに、消化器・肝臓領域から風邪、高血圧等の一般内科領域まで幅広く診療を行っている。