名画を鑑賞「ゴッホの生涯を語る」


・日時:5月25日(木)午後1時半〜3時半
・会場:すばるホール(富田林市)
・講師:末延國康先生(元大阪芸術大学教授)
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フィセント・ファン・ゴッホの生涯(1853〜1891年) 後期印象派
・オランダ南部フロートズンデルトの牧師の父のもと生れる。画商店員、語学教師、伝道師などを転々とし、27歳で画家になることを決意。86年パリに行き、弟テオとともに暮らす。ロートレック、ベルナール、ゴーギャンらに出会う。ゴッホを明るい色彩に目覚めさせたのは、印象派の画家たちとの交流、日本の浮世絵との接触、南フランスの太陽。1888年、南仏のアルルへ行き、すぐれた作品を多数描く。1889年5月発作や幻覚にも悩まされるようになり、精神病院に収容された。1890年7月末ピストル自殺をとげた(享年37歳)。画家としての活動期間は10年ほどですが、約2000点の作品を残している。
◇主な作品
素描《悲しみ》(1882年)、《ジャガイモを食べる人々》(1885年)、 《タンギ−爺さんの肖像》(1887年)、《アルルの跳ね橋》(1888年)、《ヒマワリ》(1888年)、《夜のカフェテラス》(1888年)、《星月夜》(1889年)、《耳を切り落としたゴッホ》(1889年)、《糸杉と星の見える道》(1890年)、《オ−ヴェ−ルの教会》(1890年)、《鴉の群れ飛ぶ麦畑》(1890年)など。


ゴッホの作品(抜粋)
「ジャガイモを食べる人々」
[1885年 油彩 82×114cm アムステルダム国立ヴァン・ゴッホ美術館蔵]
・質朴な農民生活を描いている。暗い鈍重な色彩。
・一日の労働を終えて、そのささやかな報いであるつつましい食事を食べながら憩う農民の家族が描かれている。照明のかもしだす雰囲気(ランプは、絵の中核をなし、オレンジ色の絵の具によって”暖かさ”をあたえている。ジャガイモの湯気が後ろ姿の少女の周囲に後光を形作っている)。


「ひまわり」
何輪ものひわまりが燃えるように輝きながら、花瓶からあふれている〈ひまわり〉は、ゴッホの代表作として、また、人間の強い生命力を象徴する絵として高く評価。1887年から89年までのわずか2年間で描かれている。
*(注)1987年3月、旧安田火災海上保険がロンドンの競売で〈ひまわり、15本〉を約58億円で落札。[1888年 油彩・キャンバス 100.5×76.5cm東京・損保ジャパン東郷青児美術館]
・強烈な色彩とうねるようなタッチで描かれたゴッホの〈ひまわり〉は、合計11点,描かれている。花の数を増やしたり、背景の色を変えている。.…「4つのひまわ、」、「ひまわり、12本」、「ひまわり、14本」、「ひまわり、15本」などがある。
・ゴッホが明るい色彩に目覚めるのは33歳の時、パリの印象派の絵に出会ったことによる。さらに、日本の浮世絵からも、ものの印影を大胆に省略し、簡潔な色の面だけで表現する手法も学び取る。


「鴉の群れ飛ぶ麦畑」
熟れた麦畑の上を黒い烏(からす)が舞う。道は3つに分かれて広がっていく。荒々しい筆触。ダーク・ブルーの空は威圧的で、広大な麦畑は.強い。終末的な印象を与えるせいか、絶筆という伝説がある。