第3回 コラボ大学校レポート

9月11日(土)に第3回 千里コラボ大学校が開催されました。

この日は、「数・形の文化史 古代からのメッセージ」と
題して、水町星四さんにご講演頂きました。

何時ものように講演会に先立って、ピアノとフルートの演奏を
して頂き、気持ち良く講演会が開始されました。

まず水町さんは、お互いに納得して考えを同じにすることが、
コミュニケーションであり、その達成手段として言葉や仕種等による意志の伝達、
そして数や物の形による表現が行われたと話されました。対立する種族の中で、
集団を形成し子孫を残して繁栄するために、太陽・月・星などを見詰め、
その周期的な運行に目を付けて、自然崇拝・信仰が生まれたとも語られました。

続いて、「陰と陽」「裏と表」の相反する思想があり、この世は
二重構造になっている。これだけならまだしも、「陰中に陽あり」
「陽中に陰あり」まであり、それらは「水が蒸発して雲になり、雨となって
降り注ぐ輪廻のようにぐるぐる回っている」ので、
物の判断は大変難しいと、哲学的な話までチラリと覗かせられました。

物の形の中でも、「日の丸」は世界に誇れる国旗であり、この白地の真ん中に赤丸をもつ意味を理解し、世界のリーダーとしての
自覚と自信を持って、困難な時代を乗り切って欲しいとのお話がありました。

話は一転、大阪の檀輾(だんじり)のルーツに及びます。
チギリス・ユーフラテスの流域に芽生えたメソポタミア文明、
BC5,000年頃の車の原形が発掘されています。その後、動物が
これを引き、風車(車の変形)が開発されていく。両河の氾濫の
修復工事に対応するために、必要に迫られた技術の進歩であり、この発明は地域に大きな恵みを与えたと考えられる。その他の
地域では僅かにエジブトで手押車が使われた程度であり、この面では飛び抜けた技術力をもっていたことになる、と話されました。

この車の技術が、インドから中国を経由して、日本に入ってきたと思われる。大阪・羽曳野の誉田八幡宮花車に影響しているのではないかと、大変興味深い話をされました。

受講者に配布された資料は、永年の研究の成果がコンパクトに
纏められており、素人でも大変見易く構成されおります。この
分野に興味のある方にとっては、貴重な資料となることでしょう。

ご本人は自分の修得した知識を、若い世代に引き継ぎたいと熱心に
語っておられます。私達もそのお手伝いが出来れば良いと考えている
ところです。興味のある方は、是非お申し出下さい。(原)