多文化カフェ 中国・カナダ・オーストラリア・フランスからの留学生のお話

あちらこちらで紅葉のニュースが聞かれる中、11月8日に高校留学生4名による多文化カフェを開催しました。

日 時:11月8日(火) 10時〜12時
場 所:千里コラボ 多目的スペース 
留学生:
 ①Kristen Faith Tronoさん オーストラリア
 ②Paul Briquetさん フランス
 ③張径儀(Jingyi Zang)さん 中国 
 ④Nikita Arianpourさん カナダ

4人のホストファミリーのお母さんたちも参加され、28名の参加がありました。
今回は4人から主に出身の町、家族や学校生活を中心に話をしてもらいましたが、4月に来日とは思えないほど上手な日本語でした。珍しい写真や興味ある話も多かったのですが、すべてを紹介できないのは残念です。

◆写真: 左から 張径儀さん(中)、Kristen Faith Tronoさん(豪)、Paul Briquetさん(仏)、Nikita Arianpourさん(加)

①Kristen Faith Tronoさん オーストラリア(梅花学園)
オーストラリアから来ました。16歳です。4歳まではフィリピンのBacolod で暮らし、5歳でManilaに転居、9歳の時オーストラリアに移住しました。フィリピンの公用語はtagalog語ですが、生まれた町ではIlonggo語を使います。フィリピンには170もの方言があります。
オーストラリアの国旗以外に、原住民のアボリジニの旗もあり、太陽と人と土地を示すデザインになっています。最初に住んだのはお爺さんが建てた東海岸のMacleanという町でした。Maclean はスコットランドに似た町として有名です。Highland Gatheringという祭りではオーストラリア中のバクパイプの演奏者が集まりますし、色々なスコットランドの伝統競技が行われます。
14歳の時にTweed Headsという町に引越しました。家の周囲には蟻塚が沢山あり、父は蟻に腕を噛まれて大きく腫れました。家のプールでは蛇が泳いでいるのをよく見ます。父がゴルフをするので、小さい頃からゴルフをしました。11歳の時、少女ジュニア選手権大会で最年少優勝を果たしました。家族や周囲の人からプロゴルファーになってもらいたいと期待をかけられましたが、好きではないのでプロになりませんでした。
オーストラリアの高校は日本に比べると大きくて、緑が一杯です。運動会もかなり違っていて、各競走種目と走高跳や槍投げなどほとんどの陸上競技が行われます。2月には水泳大会もあります。しかし、日本の運動会の応援合戦は楽しいです。梅花では9月に文化祭があり、私たちのクラスでは映画を制作し映画会をしました。5月から留学生は若柳流の先生に「さくらさくら」と「祇園小唄」の日舞を習い、文化祭で発表しました。着物は暑かったし、苦しかった。

Q:日本に留学して、オーストラリアに帰国したときは、1年留年するのですか?
A:留年しないように勉強を頑張って、試験に合格して進級するつもりです。

②Paul Milan Briquetさん フランス (千里高校)18歳
参加者にフランスに行ったことがあるか聞いて、フランスに関するクイズをしました。国旗の色の意味、人口(6600万人)、大統領(オランド)の名前等々、そして、フランス料理で好きな食べ物は何かなどの質問もしました。日本語が大変上手なので、クイズ形式のプレゼンができたのでしょう。
日本に来た理由は、日本の歴史、寺院、城、柔道等の文化に興味があったからで、寿司もお好み焼きも大好きです。
出身はフランス東部のJuraという人口300人の小さな田舎の村で、スイス国境に近い所です。山岳地方でお城や小さい湖もあり、雪が降りますので毎年スキーをしますし、夏には泳ぎます。Juraは酪農が盛んで、チーズ、ソーセージ、ポテトをよく食べます。ここで作られるLa Vache quiritというブランドのチーズが有名です。州の最大の町はLons-le- Saunierという町で、劇場もあります。
父は農業関連の仕事をしています。祖父がセルビア人で、私は1/4セルビア人です。父母と24歳と21歳の兄がいます。家族全員楽器が演奏できますので、家族でアンサンブルを楽しんでいます。私は、ピアノ、ギター、アコーディオンが弾けます。父の趣味は乗馬で、馬が全部で7頭いますし、犬2頭と猫も飼っています。
 高校の授業は8時から午後6時までで、昼休みが2時間あります。課目はフランス語、英語、数学、化学、歴史、音楽、それに日本にはありませんが哲学があります。部活はありませんが、学校以外のクラブに行き柔道をしています。

Q:お父さんはどんな作物を作っているのですか?
A:農作物は作っていません。金属の馬具の製造をしています。

③張径儀(Jingyi Zang)さん 中国貴州省(能勢高校)
出身は貴州省の州都貴陽市で、料理で有名な四川省の隣の省です。省の人口は3500万人、貴陽市の人口は430万人、地震がないので、高層住宅に住んでいます。標高は平均1100mのカルスト地形の高原で、多くの鍾乳洞があります。海はありませんが山と湖があり、中国で一番大きな滝がここにあります。能勢にも棚田がありますが、貴州の棚田は桁違いの規模で、外国からの観光客も多く訪れます。動物では珍獣と言われる金糸猴(きんしこう)が生息しています。
貴州省には少数民族が39%暮らしていますが、私は土家(トチャ)族です。写真は土家族の民族衣装です。お祭りでは獅子の舞がありますが、平和、豊作、雨乞いを祈願しています。(張さんは獅子舞と言っていますが写真では長崎の蛇踊りとソックリです)。土家族にザロンというお祭りがありますが、小正月前に竹と草で竜骨を編んで、竜燈(りゅうとう)を作ります。(写真を見ると青森のネブタ祭のネブタの骨組みに似た構造です)竜燈は昼間は飾っていますが、夜は花火の中に入れるので燃えてしまいます。この祭りは冬に行われとても寒いので、祭りの人たちは裸になって頭と顔を帽子とタオルで覆い、お酒を飲んで参加します。
高校の生徒数は4000人で、私の学年の2年生は1600人いて、私は国際部です。図書室には喫茶店もあります。自分たちで図書館の本棚を作りました。学校には校旗があり、同じデザインで色違いの各学年の旗もあります。

Q:旗は何に使うのですか?
A:毎日取り換えて掲揚します。月曜日は中国国旗を掲揚します。
Q:日本と中国とで違いを感じるところは?
A:中国には100mごとにゴミ箱がありきれいですが、日本にはコンビニなどにしかないので、ゴミが発生したとき、持ち歩かなといけないので困ります。

④Nikita Arianpourさん カナダ(池田高校)18歳
私の生まれたのはイランのEstafanという町です。9歳からカナダに住んでいます。カナダのモントリオールで1か月、バンクーバーで5年間、カルガリーで1年半暮らしましたが、1年半前にアメリカのカリフォルニアに引っ越しました。アメリカよりカナダの方が長いので、イランとカナダの話をします。
イランでは親族をとても大切にします。週に2,3回は親戚と会います。イランは日本に比べて大家族で、血の濃い親族だけでも10人以上います。カナダに住んでいた時も、1年か2年に1度は夏休みを利用して家族と会うためイランに旅行します。
イランの教育制度は、幼稚園があり6歳からは小学校5年、中学3年、高校3年になっています。大学に入る前に1年間専門学校のようなところに入ります。幼稚園と大学は男女共学ですが、それ以外では男女は別です。
イランにも色んな宗教がありますが、主な宗教はイスラム教です。イスラム教は637年ササン朝時代にペルシャに入ってきました。女性は外出の際にはヒジャブというスカーフで体を覆います。当初は任意でしたが、1979年のイスラム革命以降は必須になりました。
イランには多くの観光スポットがあります。その多くはペルシャ時代の王宮で、現在ホテルになっている所もあります。ペルシャでは昔から詩作が盛んで、Saadiという詩人の墓も有名です。
カナダで有名なのはメイプル シロップで、ケベック州のものは特別です。ベーコンとフライドポテト、チーズ、グレービーソースで作る食べ物が有名です。一番おいしいデザートは生クリームやカスタード、チョコレートやクッキーで作るNanaimoバーです。このケーキはバンクーバー近くのNanaimoという町でよく食べられるので、町の名前が付けられています。カナダの観光名所としては、大聖堂、吊り橋、Buchard庭園、温泉などがあります。冬は雪を見ながら温泉に入ります。
9歳の時にカナダに移住しましたが、16歳になってカナダ国籍が取れました。写真は国籍が取れたときの記念写真です。カナダの公用語は英語とフランス語で、英語圏では小学校からフランス語を学びます。

Q:家族とは何語で話をしますか?
A:ペルシャ語です。
Q:イスラム教の宗派は何派ですか?
A:父は宗教に熱心ではなかったので、分かりません。
Q:留学先に日本を選んだ理由は?
A:日本の文化に興味がありました。お寺、茶道、書道、合気道に興味があり、合気道と書道部に入りました。

留学生からの発表の後、AFSの方から活動全般とファミリーサポートをされたい人の応募依頼がありました。

[ 次回の予定 ]
日 時:2017年1月17日(火) 10時〜12時 
話し手:オランダ留学生 トムさん
内 容:オランダの文化や生活

以 上

文責 濱崎