第6回「自然・地域のローカリゼ—ションが子どもや精神疾患・高齢者に与える影響についての勉強会」開催

第6回「自然・地域のローカリゼ—ションが子どもや精神疾患・高齢者に与える影響についての勉強会」

講義出席者:高木・富田@ねおす、富永・二瓶@ボランティア

■ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ 『幸せの経済学』
消費文化に翻弄されるラダックの人びとの姿をもとに、グローバリゼーションの負の側面を指摘し、本当の豊かさとは何かという問題提起をつづけてきた環境活動家として名高いヘレナ・ノーバーグ=ホッジと、「スロー」を提唱する辻信一による対談。行き過ぎたグローバル経済から脱却し、持続可能で幸せな暮らしをどう作っていくべきなのか、世界的な文脈の中でローカリゼーションを論じています。
ヒマラヤの辺境ラダックは、西欧の消費文化が伝統的な生活スタイルを一変し、自然との関わりを切り離し、人との繋がりを希薄化し、アイデンティティーや伝統文化の誇りまでも奪っていった。昔はいきいきと目を輝かせて暮らしていたラダックの人びとが、10年後には「(欧米文化に比べ)私たちは何も持っていない、貧しいんだ。支援が必要だ」と訴えるようになりました。
ヘレナ・ノーバーグ・ホッジは、その解決の糸口として「グローバリゼーション」と対極にある「ローカリゼーション」を提案します。地域の力を取り戻すローカリゼーションの促進が、切り離されてしまった人と人、人と自然とのつながりを取り戻し、地域社会の絆を強めていきます。実際に世界では、「本当の豊かさ」を求め、持続可能で自立した暮らしを目指すコミュニティの構築が世界的に広がりつつあります。

■日本の精神科医療
 精神科医は午前中に40~50人の検診というほどの忙しさで、患者へ薬を渡す検診で精一杯になっています。本来であれば、福祉村のような作業や自然の中で体を動かすことを通じて、患者は人とのつながりをつくり、自己受容力を高め、病気を直していくというのが最善の方法であると医師たちは分かっています。かつては、論文等のデータはないが医療行為として、病院でキャンプを実施していたこともあり、それは、目に見える効果があります。

■グローバル経済の歪み
グローバル経済に搾取されている中小企業は、時間外労働時間が100時間を超える過酷な労働を従業員に強いていかなければ生き残れません。その労働環境にある一部の従業員は生活が破たんし、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病にかかっており、心(メンタルヘルス)の病気も引き起こし、精神科のある病院に通院しています。先進国では4人に1人の割合でメンタルヘルスの病気を抱えていると言われて、セルフコントロールの講習などの自己啓発の活動があるものの、そこには限界があり、個人個人で適応することが難しい状態です。

■子どもに自然が足りない
発達障害だけでなく精神疾患の子どもは、学校の先生は業務で忙しく、個別対応ができないため、現在の教育環境ではついていくことが難しい。周りの大人も子どもの面倒が見られないような状況で、子どもが発達障害であることを親でさえも気づかないことがあります。その環境に置かれた子どもたちはゲーム漬けの日々で、自然の変化に富んだ環境で体を動かすことがないため、感覚的理解力やイマジネーション力に乏しくなります。

■自然の力
子どもは自然の中で「安全なのか、危険なのか」、「植物・景色・時間の変化」を実際に体験して知ることを通じて、助け合う心や発想を変える力のような生きる力を身に付ける。自然の中では、ADHDL(注意欠陥・多動性障害)の子であっても、狭い教室や室内とは違い、様子はいたって普通の子どもと一緒であり、活発に動きまわる元気な子にみえます。また、精神疾患を患っている方も、自然の中で四季折々のものに触れることによって、普段は眠っている感覚が刺激されて、病棟内の様子とは違い、いきいきした表情をみせます。

■子ども×高齢者の場づくり
 自然・地域の中で、子どもと高齢者が共に遊び、交流する、関わりを持てる場をつくることで、子どもは親以外の他者との関わり方や生きるために必要な知恵を高齢者から教わること、高齢者は子どもに自分の知恵を伝え、役目を果たすことや子どもから活力をもらうことができます。