ミーティングでスタッフはどうあるべきか

22日に行われたデモクラティックスクール・ネットワーキングで、あることが話題になりました。

それは、デモクラティックスクールの核であるミーティングで、大人は介入 していいのか、という話題です。大人と子供が平等な一票をもつミーティングにおいて、大人は話し合いで自分の意見を主張すべきなのでしょうか?

宙(そら)のスタッフのぐらは、堂々と、自分はミーティングで自分の意見を言うし、どうすれば自分の考えがミーティングで認められるかを考えて発言する、と言います。

実際、宙(そら)のミーティングでは、大人がどんどん自分の意見を主張します。

大人と子どもが対等に議論する。それは、大人が子供のために手加減して議論することとは違います。

“議論”というものは、その場で意見を出し合う場です。“その場”で出される意見について検討し合います。逆に言えば、“その場”で出されなかった意見は、それがどれほどいい意見であっても、検討されることはありません。

そのため、“いい”議論をするためには、“その場”で議題に関して参考になるようなよい意見を考え出して口にしなければなりません。

これは簡単なことではありません。人と対面するという多少緊張する状況の中で、議題に適切に関連する意見を考え出し、それを相手にわからせる形でうまく伝えなければならないからです。

このことを首尾よく行うには、場数を踏んでいる必要もあります。また、生まれつきそういうことが得意な人もいれば、苦手な人もいます。

議論が上手であることと、頭がいいことやどれだけその話題についていい意見を考えているかは、必ずしも結びついているわけではありません。

議論のこういう性格から、議論はどうしても大人の方が子どもよりもうまくなる傾向はあります。

単にものを考えるのではなく、それを口に出して言うためには、スキルや慣れが必要だからです。

しかし、だからと言って、大人が子どもと議論するのに、手加減して思っていることを口に出さないのは、フェアではありません。

議論である以上、そして大人と子どもが対等な立場に立っている議論である以上、大人は自分の意見を言うべきです。

そうすると、大人が子供より意見を押し通すことが多くなると思う人も多いでしょう。

実際はそうでもないんですね。宙(そら)では、大人が言いたいことを言うため、子どもも議論に慣れているので、自分の意見を主張することに長けています。

デモクラティックスクールは、学校でありながら、現実の社会と似た構造をもっています。またそれが子どもが育つ場である上で、強みとなっています。

現実の社会に似ている以上、ミーティングの議論だけは、大人はあまり言わないというのも不自然です。対等な立場で学校を一緒に作り上げているのですから、大人も言いたいことをどんどん言ったほうがいのではないでしょうか。

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