いま27歳になる息子が「おとうさん、学校がだるい」と登校拒否宣言したのは、彼がまだ小学校3年生のときだった。その彼といっしょにフリースクールを続けてきて、今年で20年を迎える。長いからいいというものではないだろう。国や行政からの助成も補助もなく、個人の力ににまかされているフリースクールなんて続くわけがなく、学校が子どもの多様性を認め、個を大事にする学校が現れたら、必要なくなる。そんな民主的な学校がもどってくるまでの「つなぎ」だと考えていた。震災で自宅や教室が全壊したとき、学校の教師らも「いのち」に心が傾き、生徒と教師が抱き合うシーンがくりかえし報道され、学校が学歴偏重から教育の原点に立ち戻ったと評価され、不登校生の減少を証明するデーターも掲げられた。学校がこのまま民主化への道を歩みだすなら、これでフリースクールも不要になるのではないかと、一瞬、これでフリースクールから足を洗えると考えていた。しかし安心できたのはまさにつかのまのことだった。
・・・つづく チャラン