オルタナティヴスクールをはじめる人の動機の多くは、自分やまわりの人の既存の学校での経験から、子どもにもっといい経験をしてもらいたいと思うとこから来ているのだと思います。そこには経済的に利益を得ようとする思いが入っていないことが多いでしょう。
学校に限らないでしょうが、そういう利他的な想いで学校や団体を始めても、おそらくぶち当たる壁が経済的な問題です。
子どもにもっと楽しい経験をしてもらいたい、もっといい子ども時代をすごして欲しい。それが幸せな人生を送るのに必要なことなのだから。
そう思って学校を運営します。
しかし、そういう利他的な思いで団体を運営しても、その運営を持続させていくには、運営者自身が生きていなくてはなりません。生きるだけでなく、その人自身が幸せに生活していなければ、うまく運営するということも難しいでしょう。
運営する人が悩み苦しんでいるだけでは、運営がうまくいくとも思えません。
運営する人が幸せでなければ、そこに通いたいと子どもが思うことも少ないでしょう。また親御さんも子どもをそこに通わせたいとも思わないでしょう。
会社にしても学校にしてもどのような団体にしても、最初はやりたいことをするから始めます。すること自体が喜びになります。
ただ、その運営を生活の中心にすえるのであれば、生活を成り立たせる糧もその運営から得ていく必要が出てきます。
好きなことをしながら、その好きなことから生きる糧を得ていく必要があります。
利他的な動機で運営を始めても、どこかで自分自身のことを真剣に考える必要が出てきます。
これも、サドベリースクールにかかわる世界中の人たちが一度は考えている問題だと思います。