「もったいない」が世界共通語になろうとしているらしい。
「過労死」が共通語であるより喜ばしいことだと思う。

私がもう一つ共通語にしたい言葉がある。
「お互い様」という言葉である。

聞かなくなって久しいような気がするが私だけか?

いま、日本の社会(しか知らないので)において、この言葉の心が失われているように私は感じる。

自分のことはさておいて、人の些細な間違いや、違いをあたかもその人だけのことのように指弾したり、あげつらったり。
そういう状態を「心が貧しい」というのではないか?と私は思う。

「自分に厳しく、人には優しく」それが大人のあるべき姿だと私は親から教えられた。できてないけど…。(恥)

私が尊敬する人の一人に沢村貞子さんという方が居る。
女優でありエッセイストである。
もう亡くなられてからずいぶんたつが。

彼女の著書が私の座右の書の中のかなり高位にある。

家の前を掃き清める。
しかしである、お隣の半分くらいまでも掃き清めるのがマナーというか。
全部してあげるのではない。
なんとスマートな!

彼女の生き方すべてが粋なんですよね!
そしてそれはただ彼女が考えたことではなく、伝えられてきたことだったというのがまた素晴らしい。

私がやっているIEプログラムの目的の一つは「文化の伝承」でもある。
なぜなら、文化を奪うことはその人の人生を奪うことでもあるからである。

習慣、風習も含め、日本も多くの伝統、文化を持っている。
それが世界一!ということでなく、すばらしいと私は思う。
それを子どもたちにいかに伝えてゆくか。
私だけでなく、先に産まれ、長く生きてきたものの責任であると思う。

一時、それが途絶えた時期がある。
その結果日本が何を失ったか。
今にしてわかることもあろう。

いいものは残し、間違った差別や認識は変えつつ、人々が生き易い社会を作りたいと思う。

そのためのキーワードの一つが「お互い様」ではないかと私は思っているのだが。