MNです。

まずは「今日の支援室」から。
「Annual Report 2008」が刷り上がりました。
といっても何のことかわからない方に…、「実践教育年報」、旧名「実習年報」のことです。頁数が増えて、カバーする領域も増えて、もちろん内容は充実させて・・・とにかく今回は大変でした。
AOさん、ANさん大変お疲れ様でした。色もきれいし、英語のタイトルが光ってますね。学部の状況から考えて、次年度以降はさらなるグレードアップが予測され、また期待もされますが、KT先生に全面的なコミットを宣言していただいたので、一安心です。

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さて1週間ほどで、私のブログの順番が回ってきました。毎回、マイブームとなっている歌や詩をタイトルにしてきたのですが、最近はブログのためにマイブームを急きたてている感があり、やや苦し紛れです。

今回のマイブームは「木蘭の涙」です。最近ではコンサートか何かのCMで、出だしの「会いたくて、会いたくて・・・」がありますが、それです。知る人ぞ知る、スターダスト・レビューの曲です。私が聞く歌は、多くが「現妻(今のwife、現地妻ではありません、家称 おかあちゃん、私称 トドちゃん)」か、子どもの趣味をそのままいただいていることが多いのですが、スターダスト・レビューは数少ない私独自の好みです。

スターダスト・レビューのファンは見たところ3段階あって、デビュー曲「シュガーはお年頃」からのファン、「夢伝説」からのファン、「木連の涙」からのファンが居るように思います。いずれもCMソングになりました。私は最初からのファンなのですが、やはりスタレビと聞けばバラード、アカペラですね。「木連の涙」はカバー曲もありますが、断然、スタレビ・根本要につきます。コンサートは経験がないのですが、むちゃ面白いと聞いています。「木蘭の涙」は、人の(生)死がテーマになっているので、その点ちょっと卑怯な感じもしますが、そんな余計な思いを吹き飛ばすぐらい、これはすごいです。

■「木蘭の涙」歌
http://www.youtube.com/watch?v=L2yQjmbq9iA

■「夢伝説」歌
http://www.youtube.com/watch?v=zr3tQhhbmuc&feature=related

■「シュガーはお年頃」歌
http://www.youtube.com/watch?v=5-HryETwr58&feature=related

今回もブログを機に、アルバム「CHARMING」を何度もリピートして聞いていました。まあ前回「純愛ラプソディ」の分析のため、200回以上も同じ不倫曲を聴いてしまったので、頭がおかしくなっていて、それをクリアする必要もあったわけです。「木蘭の涙」ももちろん尋常でないぐらい聞いています。生死がテーマですから、恋愛に匹敵するかそれ以上の効果はあったようです。おおむねクリアできました。

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前回の格調高い私のブログ論考以降、そのレベルのステージが上がったようです。以下は、私だって福祉のことをきちんと考えているんだ、というお話。

最近「福祉社会学宣言」(副田義也著、岩波書店、2008.8)を読みました。これは、著者の社会福祉(学)に対する違和感が露わになっていて、非常に興味深く読ませてもらいました。出だしに「ケースワーカーの生態」で、「福祉川柳」事件を題材にしていますが、これ実は当時、TVで話題になったりで、事件発覚当初から私も気になっていました。そして、こういう趣旨での論考が「学問」にも「現場」にも必要だと思っていた私の思いにハマりました。内容紹介や分析は本著にゆずりますが、例示だけでも・・・。

次の川柳(抜粋)は、現場のワーカーの手によるものですが、皆さんはどうお感じになりますか。これ、内容が公刊されてしまいました。これに怒り、糾弾する声は、当時ずいぶんあったようです。

 訪問日 ケース元気で 留守がいい
 死んでやる わかっていても とんで行き
 アル中に むだと知りつつ 説教す
 親身面 本気じゃあたしゃ 身がもたねぇ
 母子家庭 見知らぬ男が 留守番す

本著、本章には最後に「提言」があって、これも深いものになっています。全文を掲載します。一部は、当たり前のこと、すでに論じられているもの、すでに実践されているものもあると思います。ただ「社会福祉学」にとっては外野からものを言われた形になっています。その点を含み置く必要があると思います。

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日本の社会福祉の管理システムにたいして、以下の研究にもとづき、ケースワーカーの仕事について、つぎの提言をする。
(1)ケースワーカー対クライアントの関係の多元性を認めるべきである。それは法レヴェル、倫理レヴェル、感情レヴェルにまで広がっている。
(2)ケースワーカーの仕事によるストレスの存在を認めるべきである。とくに、ケースワーカー対クライアントの関係の倫理レヴェル、感情レヴェルの困難に由来するストレスを重視するべきである。
(3)ケースワーカーのストレス解消、治療の必要を認めるべきである。ワーカー自身の表現活動によるカタルシス、ワーカーを対象としたカウンセリングとケースワーク、多様ないやしの方法を探求するべきである。
(4)ケースワーカーの仕事がワーカー自身にとってどのような意味をもつかを研究するべきである。印象操作、感情労働がワーカー自身にとってもつ危険の可能性を認識するべきである。
(5)前項への危険へ対処する方法を多面的に研究するべきである。とくにケースワーカーを配置転換して、一定期間、ほかの職場を体験させることの積極的効果を探求するべきである。
(同著 70頁)
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これらの福祉川柳及び「福祉川柳」事件、さらにそのための諸論考は、福祉関係者だけでなく、社会が福祉関係者をどうとらえるか、どうとらえるべきか、重要な問題を提起してくれたように思います。講義で取り上げるのも面白いと思っていますが、それには学者としての力量がいりますね。

そして「福祉社会学」を称える本著の基底に、「社会福祉学」批判のモチーフがあります。これには「社会福祉学」のほうから全面的に答える義務があると思っていますが、皆さんはどうお感じになりますか?

実践教育支援室年長 MN