名にし負う「卍」を探究

神社仏閣によく見かける「卍」について、平成21年7月5日(日)に、兵庫県民会館において講習説明会がありました。
 講師は、正にご自分の名前に「卍」のつく神戸学院大学の「植村 卍 」教授でした。
 氏は、父上から名づけられた名前について、その解明をライフワークにされており、国内はもちろんのこと、海外にも出かけて調査研究をされておられるようです。
 因みに、国内だけを取って見ても・・・・・
 ①名前:博容卍海(永平寺の僧)、②小説:「卍」(谷崎潤一郎)、③地図の記号:寺院④仏教:薬師如来像(薬師寺)の左足、千手観音菩薩立像(唐招提寺)の胸 ⑤神社:日光東照宮のねむり猫のバック、⑥藩紋:津軽藩、蜂須賀藩 等々、数え切れないくらい存在するのにおどろく。
 氏のお話しでは、チグリス川河岸で紀元前5世紀ごろにはもうシンボルとして「卍」が登場しているとかで、これがカスピ海を経由して、インド〜中国〜韓国から日本に入ってきたのではないかとのこと、その歴史にも驚かされた。
 「卍」は、ナチスドイツのイメージが払拭できないが、実は「太陽」や「火」等、自然形象の聖なるシンボルであるとするならば、前述のいろんな所に登場することに、なんら不思議のないことが納得できる。