7月10日(金)13時〜14時30分 場所:宝塚ソリオホール
主催:(財)宝塚市文化振興財団
講師:大谷節子(神戸女子大学文学部教授)
講演を聴いて概要を私なりにまとめました。
北野天神縁起絵巻の六道絵の一部で阿修羅のところを切り取った絵で阿修羅が帝釈天と戦っている様子と、聖衆来迎寺所蔵の阿修羅道幅(部分)の六道絵の説明がありました。
六道(天道、人道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)の説明で修羅道に堕ちた主人公や餓鬼道、地獄道等が「太平記」巻二十四、二十七と慈円「六道釈」、「平家物語」の灌頂巻きで行なわれました。特に修羅道に堕ちる人は憍慢の心、いかりの気持ち心、憎しみ心、驕慢の心を持つ人が修羅道に堕ちると説明がありました。
修羅を題にした西行「山家集」雑、藤原良経「十題百首」、「妻鏡」、「一遍上人絵位」巻七の修羅歌の説明を受けました。
阿修羅の世界は源信「往生要集」よると阿修羅は戦闘を好む鬼神で常に帝釈天と交戦し、海上の雷鳴を聞いて、宿敵帝釈天の軍鼓と思い恐れおののき、また戦いに負傷し,若くして生命を落とす。絶えざる戦闘と殺戮、そしていつときも心休む事のない世界であるとのことでした。
世阿弥が能の作品の作り方として、三体(老体・女体・軍体)の基本のジャンルから能の書き方、能の作り方、設定の仕方が「三道」や三体能作、風姿花伝に書かれています。
特に軍体で修羅道に堕ちた平家武将達の修羅能がどの様に違うかの説明がありました。
これらの能を何時かの機会に見たいものです。