加西市いきいきはつらつリーダー養成講座

加西市いきいきはつらつリーダー養成講座
2009年8月24日13時15分〜15時
加西市健康福祉会館

こちらの「関西ええこと.mot」ブログへと紹介していただいた「認知症予防ケアグループ きらら」向井さまとのご縁で、今回の「加西市いきいきはつらつリーダー養成講座」の参加でした。向井陽子さまと、NPOからは、高林実結樹と福井恵子の三人で参りました。

例年だと夏の終わりの蒸し暑い気候ですが、当日は、青空に真っ白い雲が浮かんだ秋空、朝からとても爽やかでした。大阪駅から快適なJR高速バスに揺られて、遠足気分で1時間40分。バス停から直ぐの「加西市健康福祉会館」が会場でした。

養成講座は、4回シリーズで開催されており、私たちの「あかるく あたまを使って あきらめない 〜スリーA方式認知症予防ゲーム〜」が4回目最後の講座でした。

私たちは、向井さんの「認知症予防ケアグループきららの活動」、高林「スリーA方式認知症予防とは?」、福井「母と桜草ダイジェスト」を簡単に話して、ゲーム講習を多く取り入れる予定でした。

お聞きすると 養成講座の三回とも、レクレーション、体操などが主で、「認知症予防」についての講義はなかったとのこと。担当者の方と相談をして、「スリーA認知症予防の優しさのシャワー」についての話を多く入れ、皆様に聞いていただくことに変更しました。

当日参加者は43名。地域の自治会役職の方、施設にお勤めの方など、認知症予防に関心のある方が多く参加されていました。

まず、「スリーA方式認知症予防の特徴・優しさのシャワー」を高林が話しました。

・ 高林実母が認知症なりかけで「私の頭がぼーっとするので、直してほしい」と切実に願ったが、直せなかったことが無念で、その想いを持ち続けて「スリーA」に出会った。

・ スリーA三ヶ月の宿泊型認知症予防教室の話

1、村のお坊さんがお経を忘れたが、宿泊型で取り戻した話。

2、家庭崩壊寸前だったが、予防教室で落ち着かれ、色彩感覚が良いので、絵画教室に通ってご覧なさいとのスリーA増田先生のアドバイスで、個展まで開くことができるようになった映画「折り梅」モデルの方の話。

続いて、大きな輪になっていただき、予防ゲームの一部を体験して頂きました。まず、福井がゲームの実際をやってみせ、その目的や優しさのシャワーのコツを高林が説明しました。

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≪今回は、ゲームの細かいところまで書きました。長文になるので お時間の許されるときに どうぞお読みくださいますように。≫
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◎手の指を使っての準備運動

・ 1〜10 
最初は、両手指を広げて、親指から順に、普通に1〜10を数えていただく。
次は、右手の親指だけを折り曲げてスタートします。左手はそのまま。

右手人差し指が、(いち!)左手親指が(いち!)
右手中指が、(に!) 左手人差し指が、(に!)

1本ずつ ずれて数えます。4くらいまでは何とか数えられるのですが、5になると???あれっ?と混乱してしまいます。そ

れが脳の活性化に繋がります。間違ってもOKですが、ゆっくり練習すれば上手になります。上手になると嬉しさもひとしお、お顔が変わってきます。やってみせた福井も何度も練習しました。

・ グーパー体操

グーとパーを使っての簡単な 手と腕の体操。

まず、両手を前に出して、右手をパー、左手をグーにして、左を胸の前に持ってくる。それがスタートです。

次からは、前に出す手パーを左右交互にします。右手、前パー。左手、前パー。胸の前はグー。交互に出しながら、童謡「どんぐり」を皆で大きな声で歌います。みなさんとても上手でした。

次は、前に出す手をグーに、胸の前は、パーにします。同じく交互にだしますが、前に出す手がパーになる人も出てきます。

間違う方も、間違わないようにしながら必死の方も居ますが、途中から「どんぐり」を歌います。歌うことで、間違う方が増えます。

右手と左手が違うことをして、「どんぐり」の歌詞を思い出しながら、声を出して歌う、皆とずれないように聞きながら、指先から肩までの運動と、同時に幾つものことをしています。これが脳活性化につながります。

今回の参加者の方々はとてもお上手だと感じましたが、終了後、担当者の方から、「1回目から3回目までの講座で、毎回、このグーパー運動をしていた。しかし、その目的は聞かなかったので、今日は、とても参考になった」とお聞きしました。ゲームごとに解説を入れていく方針を喜んでいただき、こちらも嬉しく思いました。

私たちの講演では、スリーAの予防ゲームの目的と、なぜ成果につながるかの解説を入れて進めていきます。ゲームのリーダーになってくださる方には、その理解をしっかり持って頂きたいからです。今回の主催者は私たちのこの方針を大変喜んでくださいました。

・ かたつむり
次は、チョキとグーをつかって!

チョキの上にグーを乗せると、何に見えますか?と問いかけて「かたつむり」とか「でんでんむし」で始めます。グーパー運動と同じように、右と左を交互にチョキとグーをします。

途中から「かたつむり」の歌を入れると、途端に、カタツムリの新種・チョキチョキやグーグーが出現しますが、お構い無しに続けます。新種の方々は、照れ笑いながら、懸命にチョキグーかたつむりに戻します。

テレビの漫才を見たり、ラジオの落語を聞いたりしての受身の笑いと違って、自身も歌いながらの参加形のゲームで、自ら出る笑いは、脳活性化をより盛んにするそうです。

◎お隣の方にちょっとタッチ!

・ リズム運動 二拍子

自分のひざを手で叩いて(いち)、右隣の方のひざを叩いて(に)、自分のひざ(いち)、左の方のひざ(に)、「自分、右、自分、左、いち、に、いち、に、」と調子をつけて、童謡「うさぎと亀」を歌います。とても上手く行きましたので、一回で次に移りました。

・ リズム運動 三拍子

三拍子には、二種類あります。簡単なのは、自分のひざを二回叩き、(いち)(に)、右隣の方のひざ(さん)。自分のひざ二回、(いち)(に)、左の方のひざ(さん)の繰り返しです。

ちょっと難しくするには、自分のひざ(いち)、右隣のひざ(に)、(さん)は両手でパチンと自分の前で叩きます。自分のひざ(いち)、左隣ひざ(に)、両手でパチン(さん)。これを続けて、(いち)(に)(さん)(いち)(に)(さん)と少しスピードを速めて、童謡「ふるさと」を歌います。健常の方々の時、講演会などでは、難しいほうをします。

今回は、大きな輪だったので、私の説明が聞き取れなかったのか、私の正面の方々が、私を見ながら、ひざを叩いたので、右左が逆になってしまいましたので、簡単な方でやりました。

◎膝に触れるスキンシップでお隣とちょっと親しくなって、次はお手玉回し。

全員が一個の「お手玉」を左手のひらに置き左の膝に置きます。右手で「お手玉」を掴んで、右隣の方の手の上に置く。
「つかんで右」「掴んで右」…と歌うようにリズムを伝えるように回します。

46名の大きな輪ですから、途中で落としたりして大騒ぎでしたが、構わず、「替えて」…左の手のひらに乗っているお手玉を、右手のひらに「替える」のです。

ゆっくり回しながらの「かえて」はあまり混乱もなく、左回りになりました。

「つかんで左」「掴んで左」…「かえて」「掴んで右」「つかんで右」・・・「かえて」「掴んで左」「つかんで左」・・・「かえて」・・・・沢山貯まってもそのままお隣に回す、空っぽでもリズムを崩さないで手のひらを叩いて、回す…リズムにしっかり合わせて回し、受け取る…色んな気使いをしなければなりません。

落としたら笑い、空っぽで来たら笑い、沢山来ても笑い笑うと落っことす! うかうかしていたらリズムに乗れない、脳も休んでいられません。色んな笑いがある楽しいゲームです。

このゲームでは失敗を失敗と言わないで、たくさん溜まった方には「大金持ちですね」「小金もちですね」「宝くじを買いましょう」。カラになった方には「優しいから人にあげて、からっぽになったのですねぇ」などと、言葉かけをして 皆が笑ってくれるようにします。

今回は、大きな輪の割には失敗が少なくて、最大4個が大金持ち、2個の小金持ちが何名か出ました。全員で明るく笑う事が大事です。

最後に、自分のお手玉を、輪の中央に置いた箱の中に投げて、幾つ入ったのか、幾つ外れたのかを 輪の人数46から引いて、自然な形の計算を皆で一緒にして終了します。

◎お隣とかなり笑いあったので、違和感なく「どじょうさんゲーム」

左の手の中指と親指を輪にして他の指を添えて、筒にして「たんぼ」に見立てます。右手人差し指を「どじょう」に見立てて、たんぼで元気に遊ばせます。「どじょう」は退屈になったので、右隣の「たんぼ」に遊びに行きます。全員で声を揃えて、1,2,3,4,5…と数を数えます。リーダーが「はい!」と言うと同時に、「どじょう」は「たんぼ」から逃げ、「たんぼ」は「どじょう」を捕まえるのです。左右で違う動作をするのです。

なんでもない、この遊びはとても盛り上がります。参加者の中から、リーダー役をふたりに実際にやっていただきました。

お一人は、大きな声で「はい!」と言いましたが、「どじょう」は捕まっていました。「はい!」と言う人の特典は「どじょう」が逃げ、「たんぼ」は捕まえてから「はい!」を言うと良いのですよ〜と声をかけたら、「はい!、と言うことに緊張して気が回らなかった」と。その緊張感・集中力がまた、脳活性化につながります。

もうお一人の方は小さな声で「はい!」と言われましたが、全員が反応して 盛り上がりました。

時間の都合で、机上の遊び、道具を使った遊びは、説明だけにして、「あ」のつく言葉集めを、全員がしました。男性の「愛している〜」と身振りをまじえて答えてくださり、全員爆笑しました。

最後は、「じゃんけんゲーム」

色とりどりのテープを、じゃんけんをして取り合います。大人数だったので、一人三本と数は少なかったですが、皆さん、目の色を変えて 勝負にこだわっていらっしゃいました。おなかの底からの大きな声でじゃんけんをするのは良い運動になります。優勝者は、男性! 綺麗な布テープ全部を一人で首にかけて とっても満足げで嬉しそうでした。

優しさのシャワーでは、勝負して勝った人には、当然スポットが当たります。ですが先に負けた方々にもスポットを当てるように、「先に負けた方から優しい方へのインタビュー」をします。三本を全敗した三人にお聞きしました。「あっという間に負けました」「勝てないんですよね」

三位決定のジャンケンもしていただき(真剣な顔でした)、三位、準優勝、優勝へとインタビューしていきます。

「テープ1本、一万円、46名で、幾らになりますか? 138万円ですね? 138万円の賞金だったら何に使いますか?」 優勝者は「後で考えます」と緊張した照れ笑いをしながら答えて下さいました。

最後に、福井の「母との介護の暮らし」。向井さまから「兵庫県での認知症予防運動取り組み第一号であり、加西市も続けてほしい」と簡単に話しました。

「シーツ玉入れ」「2種類の太鼓合奏諸道具」「広告パズル」などの展示と説明をして散会となりました。

施設にお勤めの方は、「シーツ玉いれ」に興味を持たれて、作りたい!作り方を教えてほしい、と言われましたが、NPO予防ゲームのテキストを既にお持ちで、その中に書いてあることを知らせると、是非作ると目を輝かせていらっしゃいました。

最後に、担当者の方から「今回は認知症予防の講義もあり、私たちも参考になりました。介護中の方はお母さまとの話にも興味を持たれていました。また、参加者の皆さんは、緊張されていらっしゃったのに、最後はとても良い笑顔で嬉しかったです」と 感想を聞かせて頂きました。また、予防ゲームのテキストは、地域包括センターで昨年秋に、5冊を購入したそうで、その頃から、NPOホームページ、最近のブログも読んでくださっているそうで、インターネットのネットワークの拡がりに驚きました。

なお、NPO認知症予防ゲームのテキストは、申込が22冊もありました。

家に帰りつくと、担当者の方からのお礼メールが届いており、その心使いが嬉しく、遠い道程でしたが、疲れも吹き飛んでしまいました。つぎにお招きいただく節には、「認知症予防について」「優しさのシャワー」をじっくり話せる機会があればと 強く感じました。

加西市長寿介護課の方々には「認知症予防」発展をより進めて下さいますように、今回はありがとうございました。

なお、「認知症予防ケアグループ きらら」さまのブログにも報告がありますが、「ネットワーク紹介」に掲載させていただけることになりましたので、そちらも是非ご覧下さい。

活動メンバー 福井恵子 2009/8/26 記(%エンピツ%)

リズム運動