美術の見方・楽しみ方

奥 美佐子氏(子供発達学科教授)による”コミュニケーションをひろ
げる美術の鑑賞術”講座が平成21年8月26日に行われました
 今回は正攻法ではなく、少し斜めから観る美術鑑賞ということで、
対話形式をメインとしたものでした。
 すなわち「これは何なの」「誰が作ったの」「背景はどこなの」等の
疑問を持つことからスタートしました。
 対話形式の基本は「観る→考える→話す」の手法で、最初の例は
『ミロのビーナス』で、この彫刻は、美の女神・アフロディテを表現したものですが、両手が欠けていることから、ポーズについていろいろな節があるようです。
 これが「話す」に通じ、対話の結果 コミュニケーションが形成されるとか。
 因みにこれは、神々の美のコンテストに優勝し、パリス(トロイの王子)から黄金のリンゴをもらった時の様子を表しているものらしい。
 2つ目の例は、あの『モナリザ』で、疑問としては「これは本物か」「微笑みのナゾは」「視線はどこを見ているのか」「モデルは誰か」等、名作にして謎がいっぱいで議論の終わりを知らないようです。
 ある芸術家によれば、美術の極意とは”考えるな・観るな・着こなせ”だそうですが、どうでしょうか。
 いづれにしろ、鑑賞者が主体となり、言葉や行為によってコミュニケーションを成立させることとの提言は、納得できたセミナーでした。