イタリア人の生活と美術・ラヴェンナ編

西公民館におきまして平成21年8月28日(金)に、辻 弘氏
(兵庫教育大学教授)による標記講座がありました。
 ラヴェンナは、ルビコン川の南に位置したアドリア海沿いの街
で、初期キリスト教モザイク画の傑作が残っているところです。
 なぜここに(?)という疑問には、その時代背景を検証しなけれ
ばならないようです。
 紀元330年に、ときのローマ皇帝・コンスタンチヌスが戦略的、
経済的理由からコンスタンチノーブル(現イスタンブール)に都を
移しました。(後の東ローマ帝国:ビザンチン帝国)
 ラヴェンナは、5世紀に西ローマ帝国の首都になりましたが、ゲルマンに滅ぼされると、東ローマ帝国がここを統治し、中東の職人や商人を集めた結果、今に残るモザイク画を中心とするビザンチン美術が花開いたとのこと。
 教授からは、「よき羊飼い」「水を飲むハト」「水源を教える鹿」等々、見事なモザイク画がパワーポイントにより紹介されました。
 ただモザイクは、その制作に時間と財力が必要で、聖フランチェスコは「信仰は清貧にある」との考えから、アッシジにおいてフレスコ画をジョットに描かせたとか。
 思想は変遷しても、芸術は時を超えて私達に感動を残してくれました。