秋すすむ(平成21年8月31日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

今日は午後から海南市への報告書を仕上げるために
わんぱく公園に行くことになっているので、朝3時間、夏
から秋に移ろう動植物のデータを取るために、孟子不
動谷に8時に行きました。

モズが鳴いていますが、まだタケ藪の中で「ギチギチギチ」
とつぶやくだけで、とても「高鳴き」と記録できません。
ありもとの家のまわりでは、先週あたりから今年巣立ちの
幼鳥たちが盛んに高鳴きを始めていますが、孟子では、
まだ「風呂の中のオナラ」のような声です。

ギギッ グイグイ チッチョホイ ホイホイホイ・・・
久々に流調なサンコウチョウの囀りが聞こえてきます。
抜き足差し足でさえずりのする森に近づき、そっと覗きこむ
と、今年巣立ちの幼鳥が、一生懸命に囀っていました。

少し暗いですが、よい距離なので1枚撮影させてもらいます。
サンコウチョウの幼鳥をきちんと撮影したのは孟子では初め
てのことなので、「大収穫」です。

エナガの群れに混じって、センダイムシクイが飛びかってい
ます。
そろそろカラの混群に様々な渡り鳥が交りこむ季節です。
おそらくサンコウチョウの子どもも、もうすぐこの混群と行動
を共にすることでしょう。

クリの実が熟しはじめました。
3日前、北原さんが「孟子で拾った」といってクリの実をわん
ぱく公園に持ってきて、販売したので、売れ残りを購入して
持ち帰り、「初もの」でクリご飯をいただいたのですが、今日
も「先客」のイノシシにかなり食い荒らされていますが、数個
良いのがあったので拾ってポケットに入れます。

ここ2週間ほど、キチガイのような残暑でしたが、最近ようや
く秋風が吹きはじめ、秋の実りも一気に進んだようです。

とんぼ池では、まだマルタンヤンマが産卵しています。
マルタンヤンマは6月に羽化し、真夏の孟子不動谷の象徴
のようなヤンマですが、最近8月下旬〜9月になっても産卵
する個体が目立ちます。
残暑が厳しいためなのかどうか、わかりませんが、兎に角
しっかりと今後もモニタリングしようと思います。

ヒヨドリバナの花が咲き出しました。
2004年 8月28日
2005年 8月30日
2006年 8月19日
2007年 9月 1日
2008年 9月 1日
2009年 8月31日
過去6年のヒヨドリバナ開花記録を見ると、2006年に少し
「早咲き」したものの、ほぼ例年8月終わり〜9月初めに開
花しているのがわかります。
畦の草刈等の撹乱により、開花時期が変動することの多
い秋の草花の中にあって、かなり規則的な草花のようです。

久々にミズオオバコの花を見つけます。
昨年は結局1つも見つからず、心配していましたが、今年
は紫の3弁花をもたげてくれました。
和歌山県RDB記載の貴重水生植物なので、なくなっては
欲しくない植物の一つなのです。

シンジュの枝にツツドリが止まっています。
シンジュサンの幼虫の食痕がついている枝に止り、食糧補
給をしているようです。
撮影しようと500mmレンズを向けますが、すんでのところ
で飛ばれてしまいました。
トケンたちも渡りを開始したのでしょう。

犬飼池の堤体も秋の草花に埋め尽くされようとしています。
ツリガネニンジン、ヒメノダケ、スズサイコ、ワレモコウ・・・・
最近圃場整備によりどんどん数を減らしている里山の草地
性の草花たちが、どんどん開花してきています。

オナガササキリも成虫になり、鳴き出しています。
クルマバッタたちが、ありもとの歩く先から飛び立ち、黄色
と黒の特徴的な後翅の模様を見せながら、飛んで行きます。

カワセミが翡翠色の矢となって、犬飼池の池面に飛び込み、
小魚を嘴に咥えて池面の上に突き出た枝にとまります。

ナニワトンボが真っ青に成熟して、池畔の梢に止まってい
ます。
半成熟のヒメアカネと未成熟のマユタテアカネ、成熟した
リスアカネも目立ちます。
真夏にあれほど池の上でわがもの顔に飛びかっていたウチ
ワヤンマとタイワンウチワヤンマが姿を消し、オオヤマトンボ
だけが池面上低くをパトロールしています。

久々に水路道を歩きます。
今年は通過数が少ないのか、コルリの姿はありません。

エナガの群れに何度か出会いましたが、センダイムシクイが
混じっているだけで、他のヒタキの姿はありません。

カトリヤンマを今季初見しました。
2002年 7月23日
2003年 7月 5日
2004年 6月 6日
2005年 7月31日
2006年 7月29日
2007年 8月 4日
2008年 8月 3日
2009年 8月31日
例年よりほぼ1ケ月遅れの確認ですが、今日確認した2個体
はどちらも綺麗に成熟していたので、羽化時期を見落としただ
けでしょう。
ありもとが小学生のころは、周辺で最も数の多いヤンマだった
のですが、近年各地で数を減らしているのが気になります。

ニホントカゲとニホンカナヘビの幼生がとても良く目立ちます。
全長2、3cmの可愛い個体が、そこここでチョロチョロしていま
す。
ニホンアカガエルは成体のみが目立つようになりましたが、ト
ノサマガエルはまだ上陸が続いており、そこここで子ガエルを
踏みつけそうになります。

ツチガエルはまだ鳴いています。
土用干しが終わったあとの水の溜まった水田にこの時期2度
目の産卵を行い、孵化したオタマジャクシは稲刈りの落水に乗
じて荒糸川に降り、オタマジャクシのままで越冬するのです。

クダマキモドキがとてもよく目立つようになりました。
孟子には前足が褐色のヤマクダマキモドキと前足が緑色のサ
トクダマキモドキがおり、今日は両種とも林縁をはらはらと飛び
かっています。
ちょうどこのハビタットは、真夏にはヤブキリが占めているので
すが、ヤブキリが見えなくなるとともに、一気にクダマキモドキの
数が増えるのです。
ハビタットの「引き継ぎ」がとても流調で、感心してしまいます。

一通りのデータを取り終え、時計に目を落とすと11:30
そろそろ切り上げてわんぱく公園に向かいます。

来週孟子を訪れるころには、モズは高鳴きを初めていること
でしょう。
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<鳥類>
キジバト、ツツドリ、カワセミ、コゲラ、アオゲラ、キセキレイ
セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、サンコウチョウ、ヤブサメ
ウグイス、センダイムシクイ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ
メジロ、ホオジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
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<両生爬虫類>
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トノサマガエル、ツチガ
エル、ヌマガエル、ウシガエル、ニホントカゲ、ニホンカナヘビ
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<昆虫類>
キイトトンボ、クロイトトンボ、ハグロトンボ、オニヤンマ、カトリ
ヤンマ、ヤブヤンマ、マルタンヤンマ、オオヤマトンボ、シオカ
ラトンボ、オオシオカラトンボ、マユタテアカネ、ヒメアカネ、リス
アカネ、ナニワトンボ、コシアキトンボ
ヤマクダマキモドキ、サトクダマキモドキ、ヒメギス、ササキリ、
オナガササキリ、カネタタキ、エンマコオロギ、マダラスズ、トゲ
ヒシバッタ、クルマバッタ、イボバッタ、コバネイナゴ、ショウリョ
ウバッタ
クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ
マツモムシ、アメンボ、ヒメアメンボ、ヤスマツアメンボ、アブラ
ゼミ、ニイニイゼミ、チッチゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、
ツマグロオオヨコバイ、リンゴワタムシ
ムネアカオオアリ、クロヤマアリ、セイヨウミツバチ、オオスズ
メバチ、オフタオビドロバチ、スズバチ
ヤマトアブ、ハタケヤマヒゲボソムシヒキ、アメリカミズアブ
モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、ナガサキアゲハ
ヤマトシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミ、キマダラセセリ、イチモ
ンジセセリ、チャバネセセリ、コチャバネセセリ、コミスジ、ヒメ
ウラナミジャノメ、コジャノメ、ヒカゲチョウ、クロヒカゲ、クロコノ
マチョウ、サトキマダラヒカゲ、ナカグロクチバ、タケカレハ、キ
マダラツバメエダシャク、キンモンガ、ホシホウジャク
クロウリハムシ、ハイイロチョッキリ、カナブン
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<花>
ガマ、コガマ、オヒシバ、エノコログサ、タマガヤツリ、ヒデリコ
イヌホタルイ、コゴメガヤツリ、クログワイ、カヤツリグサ、ツユ
クサ、コナギ、トチカガミ、ミズオオバコ、ツルボ、ヒメドコロ、オ
ニドコロ、カエデドコロ、ヤブマオ、ミズヒキ、ヒナタイノコヅチ
ヒカゲイノコヅチ、スベリヒユ、センニンソウ、ボタンヅル、ミズ
タマソウ、イヌガラシ、キンミズヒキ、ワレモコウ、コマツナギ、ヌ
スビトハギ、ネムノキ、ミヤコグサ、カタバミ、ヒメノダケ、スズサ
イコ、イヌホオズキ、トウバナ、アキノタムラソウ、アゼナ、アメ
リカアゼナ、トキワハゼ、キツネノマゴ、オオバコ、ヘクソカズラ
スズメウリ、ツリガネニンジン、ヒヨドリバナ、オニタビラコ、カン
サイタンポポ、セイヨウタンポポ、タカサブロウ、アメリカタカサ
ブロウ、ヨメナ、ハルノノゲシ、ノアザミ、ヒメジョオン
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