8月31日といえば、夏休みの宿題に追われる子どもたちのイメージがありますが、
新型インフルエンザ休講の影響で補講をする学校が多く、夏休みを短くして、
早くから始まりましたね。ですからちょうど10日前の21日が修羅場だったお家も
多かったのではないでしょうか。
我が家も何を隠そう、その修羅場を経験いたしましたが、ここにきて、
「宿題が多すぎる!」「こんなん、何の意味がある!」「むり!」と半泣き状態で
睡魔と闘いながら、苦しみながらもやらざるを得ない課題と取り組む姿は、
なかなか見られない真剣さがあって、親としてはそれが観れただけでも修羅場の
意味はある!と思いました。
実習生の巡回指導に出向き、その先でも苦しんでいる姿に出会います。
でも、本当にどの学生もきれいなのです。
素の自分と向き合うことが、ここまで人を美しくするのかと感動しながら、いつも
横顔を見つめて話を聴いています。必死さ真剣さは、集中力を高め、学生が持って
いる以上の力を与えてくれることも知りました。苦しみながらも、向き合えていること
自体が多くの学びを見出すきっかけになるのでしょう。
実習も前半組が終り、後半組が始まります。
終わった学生からはこんなメールが届きました。
「こんなに悩んだり苦しんだ経験は今までになかったけれど、こんなに充実した時間
も今までに経験したことがなかったように思います。実習に行けてよかったし、想像
以上に深く学べました。最終的に自分で行くと決めて本当によかったと思ってい
ます!」
この夏の苦しみを、決して忘れないでほしいと思います。
以前、「子どもについて」を紹介したハリール・ジブラーンの詩から、もう一遍紹介
しておきます。
「苦しみについて」
苦しみについてお話しください、とある女が言った。
彼は答えた。
あなたの苦しみはあなたの心の中の
英知をとじこめている外皮(から)を破るもの。
果物の核(たね)が割れると中身が陽を浴びるように
あなたも苦しみを知らなくてはならない。
あなたの生命に日々起こる奇跡
その奇跡に驚きの心を抱きつづけられるならば
あなたの苦しみはよろこびと同じく
おどろくべきものに見えてくるだろう。
そしてあなたの心のいろいろな季節をそのまま
受け入れられるだろう。ちょうど野の上に
過ぎゆく各季節を受け入れてきたように。
あなたの悲しみの冬の日々も
静かな心で眺められることだろう。
あなたの苦しみの多くは自ら選んだもの。
あなたの内なる医師が
病める自己を癒そうとしてのませる苦い薬。
だから医師を信頼して
黙ってしずかに薬をのみなさい。
医師の手がたとえ重く容赦なくとも
それは目に見えぬもののやさしい手に導かれている。
彼が与える杯がたとえあなたの唇を焼こうとも
それは大いなる焼物師が
自らの聖なる涙でしめらせた
その粘土でつくられたものなのだ。
ハリール・ジブラーン著 神谷美恵子訳 『預言者』より
支援室:焼物師を目指す N.N.