平成21年9月18日(金)に、西公民館におきまして、
辻弘兵庫教育大学教授による標記講座が行われました。
トスカーナは、北イタリアのフィレンチェを中心とした中世
の街が点在する地域で、人工的に造られたとはいえ自然
をうまく取り込んだ風光明媚なところです。
中世は、古くからの多神教(海の神:ポセイドンや酒の神
:バッカス等々)と一神教であるキリスト教がまだ共存して
いていた時代で、人間の態度も①アテオ(無神論者)、②
クレデンテ(信仰者)、③ライコ(神の存在は否定しないが、宗教に関心がない者)に分かれていた由。
また都市の形態は”山上都市”が多く、これは「戦乱」「強奪」から逃れるためと、低地は湿地帯で「マラリア蚊」が発生するためこれを避ける狙いがあったとか。
ただ、山上都市のネックは『水』であり、シエナは比較的水の便がよく、フィレンチェも川のほとりに位置していたため、他の都市より条件は良かったようだ。
その他個別には、アッシジ(サン・フランチェスコの本拠地・ジョットのフレスコ画でも有名)、ピサ(海洋都市で、ガリレオで有名)、オルビエント(崖の上の街)、サン・ジェミニアーノ(美しい塔のある街)等がパワーポイントで紹介された。
中世は、今となっては懐かしいが、こうしてご教示いただくと結構うっとおしく、一瞬暗い気持ちになるが、このような時代があったからこそ、次に来るルネッサンスが花開いたとも言えると思われました。