昨年10月から月に1回の予定で開催されている某病院の「ものわすれ外来」受診の方とご家族の会に参加させて頂いています。私がお誘いを受けたのは、「NPO法人認知症予防ネット」のメンバーという立場で、受診されている方々への交わりを持ちながら、スリーA方式のゲームをご紹介するお役目でした。
みなさまご家族同伴で参加されますが、ご家族は家族の集いを、ご本人様と数名のスタッフは隣室で集いを持ちます。 私は毎月のこの集いで、ゆったりと高齢者の方々と数時間を過ごせることに自分自身の喜びを味わっています。
開会の瞬間はどなたもなんとなく場違いな所?というような少し緊張した面持ちでいらっしゃいますし、同行された介護者が別室に行かれることへの不安な表情をお見せになる方もありますが、お互いの自己紹介の中で、思わぬ同郷の方と言葉を交わす場面があったり、昔勤労したご苦労をずっとお話続けられる方があったり、でも皆様が話しにうなずきながら共感される場面は、得がたい空気を部屋中にみなぎらせます。
ようやく気持ちが和んだところで、少しずつスリーAのゲームをご紹介し始めると、間違いにどぎまぎしたり、手指の混乱に大笑いしたりと先刻までのよそ行きの表情は
何処へやら。小さなお部屋は爆笑の渦に巻き込まれ、隣室の家族の集いにまで聞こえてしまうようです。
月に一度の集いですから、又自己紹介から始めて、同じような昔話をお聴きすることになるのでしょうが、いつもご本人様お一人ずつを主人公にしたこの集いがご本人様とご家族に明るい兆しをもたらすものとなりますようにと願います。 (松島慈児)