世界の経済と日本の動き

日 時:平成21年11月25日(水)
場 所:宝塚男女共同参画センター
講 師:浜 矩子氏(同志社大学教授)
 リーマンショックを契機に、深刻な不況が世界的に拡がり、
日本も先日デフレ宣言を行いました。
 なぜこのような経済状況になってしまったのでしょうか。
 氏は、この状態をアガサクリスティの小説に例えて「そして
誰も居なくなった」が現実となり、経済活動からひとり又1人
と消えていくことになると表現されました。
 それを回避するためには基本に戻ることで、経済活動を構成しているものは、「ヒト・モノ・カネ」であり、これらのエネルギーを均等化することにより、安定性が確保される由。
 しかし、現実はこれらの組み合わせが空中分解しており、政治と金融政策で無理やり「モノとカネ」をくっつけてなんとか格好をつけようとしています。
 その結果 デフレなのにGDPが前年比1%増加した、すなわち一応生産が伸び、モノもいくらか売れている状況を作り出しました。
 ただし これは「安値合戦」によるもので、1個100円のミカンを50円にして2個売っているに等しく、モノは倍うれているが、売り上げは上がっておらず、原因は明らかにヒトの値段(賃金)を圧縮してのなせるわざであるようです。
 近々 99円のセーターが売り出されるというウワサもありますが、これを造っているヒトの給料はいったいいくらなのでしょうか。
 この不況から脱出するには、まずヒトの復権(雇用対策)からではないかと思われます。