オッチャンたちの行軍(平成21年11月30日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

今朝孟子に行く前に貴志川町平池をチェックします。
というのは11月18日早朝、オオハクチョウ成が2羽飛来
したのでした。
野鳥の会和歌山県支部のMLで写真が回ってきたのです。
しかしありもとはわんぱく公園に向け家を5:30に出て、
帰宅するのは19時ころなので、見ることができません。
11月23日勤労感謝の日までは機嫌良く越冬していたよ
うで、24日、空調点検のために公園に向かう途中、2年
ぶりの雄姿をひと目見ようと平池に行きましたが・・・
いません!! 池を一回りしても いません!!
後日野鳥の会に知り合いに聞くと、11月23日に子ども
がオオハクチョウに石を投げつけて、それで飛び去って
しまったとのことでした。

ちょっと古い話ながらオナガガモの背中に矢を突きさす
輩もいるので、投石なんて「カワイイ」ものなのかもしれま
せんが、ちょっと(というかかなり)ムカツきます。

野鳥観察に長けた知り合いの観察によると、今回のペア
と思われる2羽の成鳥は、人の手から餌をもらうこともせ
ず、2年前&3年前に渡来した個体とは別の個体の可能
性が高かっただけに、観察できなかったのが返す返す残
念でなりません。

再度舞い戻ってくることをわずかに期待しつつ、今後も観
察したいと思います。

8:10
孟子不動谷到着です。

一気にルリビタキの個体数が多くなりました。
そこここで、ヒュルヒュルヒュルリ〜と囀っています。
ルリビタキが渡来するとすぐ、モズの高鳴き時期同様、
テリトリ合戦が展開されます。
その時に♂タイプも、♀タイプも、盛んに囀りを繰り返し
ます。
ただ♀タイプというのは、♂若鳥の可能性もあるので
囀るのは♂だけなのかもしれませんが、ジョウビタキ
、ルリビタキ、モズなどは、冬には♂♀関係なく単独で
冬ナワバリを占有するので、おそらくメスも囀っている
のではとありもとは思っています。

タカオカエデの紅葉鮮やかなこの時期に不動谷に響く
ルリビタキの歌声は、孟子不動谷に冬の香りを運んで
きてくれます。

アカゲラも来ています。
キョ キョとつぶやきながら、コナラの幹を登って行き
ます。

とんぼ池にはセグロセキレイの番と1羽のキセキレイ
が今年も来ています。
ここ数年、毎年セキレイの構成員いつも一緒です。
セグロセキレイの番はわかるのですが、この1羽のキ
セキレイは何なのでしょうか??
キセキレイも2羽なら合点がいくのですが、ここ数年い
つも1羽なのです。
胸の山吹色の鮮やかさから♂のようなのですが、なぜ
毎年こうなのか?本当に不思議です。

2週間ぶりの孟子で小鳥たちと語らっていると、軽トラの
音が、どんどん集まってきます。

今日は、和歌山県海草振興局主催の「紀の国森づくり
基金」の平成21年度事業の、「孟子里道整備」の日です。

北原さん、丸嶋さん、住野さん、清水さん、榎さん・・・
それにわんぱく公園の職員の嶋田さんに坂本さんも来て
います。
ありもとを入れて総勢8名。
そこに行事を視察に来られた海草振興局の是沢さんを
入れて総勢9名の「山行隊」が結成されました。

孟子菊炭がまの南に入る谷にある、大旗山に最も近い
直登道を整備するのです。
丸嶋さんや住野さんは何度か直登したことがあるそうで
すが、ありもとは昨年の正月、実恵子さんに頼まれてナ
ンテンの実を取りに中腹まで登ったことがあるだけです。

ありもとにとってはほぼ「初体験」の直登道を登ります。

ミソサザイの声がしています。
孟子ではこの冬はじめての確認です。

ツィー
おなじみの声のあげて、地面からシロハラが飛び立ち
ます。
その群れの中に1羽、お腹が褐色の個体がいます。
アカハラです。
孟子ではあまり個体数の多い冬鳥ではないので、徳を
した気分になります。

キャタピラ付の運送機に杭やスコップを積んで、山道を
上ります。
先頭に草刈機を持った坂本さん、その後から、ノコギリを
持った丸嶋さんとありもとが続きます。

丸嶋さんがスギやヒノキの倒木をのこぎりで処理したもの
を、ありもとが担いで道のソバにどける・・
という役割分担でどんどん上ります。

胸高直径50cmを越すノグルミの大木や、大空に大きな
枝先をひろげた何本ものエノキの大木を見つけます。
今「食べごろ」の「よの実」をいっぱいつけたエノキの大木
に、アオバトの群れが鈴なりになっています。
「よの実」は甘いしょう果で、人間も昔は好んで食べました。
江戸時代、徳川家康は、旅人の喉の渇きをうるおすため
に、一里塚にエノキを植えさせたという史実もあるほどです。

今は「よの実」をほおばる子どもは「絶滅危惧Ⅰ類」ですが、
その代わりにアオバトなどの野鳥がこの実を好みます。

暗いスギ植林の中にはたくさんのクロジが来ています。
このホオジロ類は、こういう暗い環境を好み、ひと目につく
ところには滅多に姿を現しません。

途中大きな炭がまの跡を見つけたり、孟子で久々にヒガラ
の声を聞いたりしながら、どんどん上ります。

あと「ひと上り」で尾根に出るという場所で、みんなで休んで
いると、下から黄色い声がします。
実恵子さんと雅子さんです。
おっちゃんたちの「山行き隊」の陣中見舞いに来てくれたの
ですが・・・
「園長!」
「はぁ」
「お願いがあるんやけど・・・」
「何ですか?」
「山案山子にコーヒー忘れたんで、取ってきてくれへん?」
「・・・・・」

ということで、ありもとは一人、山を下ります。
昨年末に体調を崩して以来36kgの減量をしているので
本当に体が軽いです。
それまでやったらゼェゼェ行ってたのに、ほとんど息も乱
れません。
下りは滑るのと、靴の先に指があたって痛いのでちょっと
鬱陶しいですが、上りは本当に楽になりました。
これで漸く山の生き物たちの「語りあう」ことのできる体に
なったということなのかもしれません。

みんなの休む場所までコーヒーを持って戻り、ちょっと一服
です。

「じゃ、みんな頑張って!」
そういって実恵子さんたちは下山します。

おっちゃんたちは、上ります。

湿気の多い林床には、さまざまなシダが生えています。
ありもとはそれほどシダに詳しいわけではないのですが、
傍らにいる嶋田さんと坂本さんに向かって・・・
「これがリョウメンシダで、こっちはイワヘゴです。」
「へぇ・・・」
「そしてこれがヤブソテツ、そしてこのいっぱいあるのが
ベニシダで、これはオニカナワラビですね。」
「はぁ・・・・」
・・・・

背後で二人が話をしています。
嶋田「全部一緒に見えるよな」
坂本「シダやっちゅうことはわかるけどなぁ・・・」
嶋田「どこで区別してるんやろなぁ・・・」
坂本「さぁ・・・ワシにゃワカランなぁ・・・」
嶋田「まぁ・・シダはシダやな」
坂本「そうやな」

ありもとにとっては非常によく耳にするパターンのおっちゃ
んたちの会話を、微笑ましげに聞きながら・・・久々の大旗
山頂上に到着します。

嶋田「ホンマに240mしかないんか?あぁ〜しんど!」
ありもと「毎週上ってくる人もいますよ」
嶋田「へぇ〜!! 頭の構造がワシらとは違うんやな・・」

完全に整備が終了するまで1週間以上かかりそうです。
でもこの直登道が完成すれば、大旗山頂までのアクセス
がかなり楽になります。

昨年は孟子里山記念館をリニューアルし、今年は大旗
直登道を整備して、それで一応孟子里山公園の「輪郭」
が出来上がります。

この事業を実現させてくれた、「紀の国森づくり基金」に
はほんとうに感謝!感謝!です。

山を下り、みんな三々五々に帰路につき16時

「つるべ落とし」の陽が沈む、タカオカエデの紅葉萌える
孟子不動谷を、後にしました。
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<鳥類>
カイツブリ、ミサゴ、アオバト、キジバト、アカゲラ、コゲラ
アオゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ
モズ、ミソサザイ、ルリビタキ、シロハラ、アカハラ、トラツ
グミ、ウグイス、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ
メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ、カワラヒワ、イカル
ハシボソガラス、ハシブトガラス
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